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アンドリュー・スコット「すごく気持ちが分かる」『異人たち』家族関係の複雑さと愛に言及

cinemacafe.net / 2024年4月2日 21時0分

2023年11月29日に逝去した山田太一さんの原作「異人たちとの夏」(新潮社刊)を映画化した『異人たち』から、本作で描かれる<家族の愛>に焦点をあてた特別映像が解禁となった。


子どもの頃の記憶をたどり、懐かしい故郷を訪れた主人公の脚本家、アダムはまるでタイムスリップしたかのように、死別した両親との再会を果たす。山田氏が創作したこのユニークな幻想譚に魅了されたアンドリュー・ヘイ監督は、本作の再映画化にあたり、自らのプライベートな要素を織り交ぜ、愛と孤独、喪失と再生、家族の絆といった普遍的なテーマを探求した。


両親を交通事故で失うという、30年前に負ったそのトラウマゆえに誰かを愛することさえ忘れていたアダムが、思いがけない両親との交流によって子ども時代に回帰していく様、そして、30年前の当時の姿のまま、大人になったアダムと想いを通わせる両親の姿が、美しく、幻想的な映像と相まってエモーショナルに描かれていく。


今回解禁となった映像でも、アンドリュー・スコット演じるアダムが両親と再会を果たすその瞬間や、郷愁の眼差しで両親を見つめるアダムの姿、そして、かつて互いに抱えていた苦悩や葛藤を吐露し、家族の絆と愛を再びつなぎとめる描写が映し出される。


「親なら失敗したくないが、失敗は付き物だ。アダムの場合、幸いにも親が耳を傾け息子を尊重する。彼を解放するんだ」と明かすジェイミー・ベルが演じる父親は、“部屋で泣いているのは知ってた。イジメられてた?”と大人になったアダムに投げかける。そして、かつての自分を悔いるかのように「部屋に入らなくて悪かった」と心の底に抱いていた想いを伝えるのだ。


つらい思いを抱えていた当時のアダムに手を差し伸べることができなかった父の葛藤を知ったアダムは、まさに解放されたように涙を流し、父の想いを受け入れる。二度と会うことも、話すこともできないと思っていた父や母との、時空を越えた邂逅とそこに描かれる深い愛が感じられる。


さらに、ヘイ監督はアダムを同性愛者として描き、彼が一貫して関心を抱いてきたセクシュアリティという主題も現代的な視点で掘り下げている。自身のパーソナルな記憶と想いを山田氏原作の物語に付与することで、現代を生きる人々の心に突き刺さる愛と喪失の物語へと昇華させた。


映像では、アダムが母親(クレア・フォイ)へ向けて、自身がゲイだと告白するシーンも描かれており、アダムを演じたスコットは、「グッとくるよ。個人的にすごく気持ちが分かる。僕もゲイだからね。温かい反応を祈りながら家族に打ち明けた経験もある。みんな家族の絆を感じたい」と自身の経験を踏まえた想いを明かす。


ヘイ監督はスコットについて、「アンドリュー・スコットのことは最初から頭にありました。私は長い間、彼を俳優として尊敬していました。そして、すべてのクィア役がそうであるわけではありませんが、主役が役柄と同じセクシュアリティを共有していることは私にとって重要でした。この映画のクィアネスの探求には多くのニュアンスがあり、それを深いレベルで理解できる人が必要だったのです」と、その起用理由を語り、本作でみせるスコットの演技を絶賛している。


「大抵の人には親や子がいて親子関係の複雑さを知ってる。だから、この映画がどんな人にも響くといい」と明かすヘイ監督の言葉通り、多くの人の根源にある“愛”がテーマとして深く描写されている。


『異人たち』は4月19日(金)より全国にて公開。



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