石原さとみ主演『ミッシング』では“耐える”演技…俳優として信頼しかない青木崇高の魅力
cinemacafe.net / 2024年4月19日 17時30分
愛する娘の失踪をめぐる母親とその家族の物語、映画『ミッシング』。出口のない迷路を彷徨い続ける母親を石原さとみが演じ、その夫で行方不明の娘を探し続ける父親を演じるのは青木崇高。
今年に入って、韓国映画『犯罪都市 NO WAY OUT』、Huluオリジナル「十角館の殺人」(配信中)、本作『ミッシング』(5月17日公開)と3作品が公開・配信。昨年公開された、第96回アカデミー賞で日本映画として初めて視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』では、整備員・橘宗作役でしっかりとドラマ部分を支えている。
そんな出演作が絶えず公開されている青木さんだが、これまでも、映画にドラマに、多様な役柄の数だけ観客を魅了してきた。
NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」(07~08)で、ヒロインの兄弟子で結婚相手となる落語家・徒然亭草々役を演じ、広く知られることになった青木さん。徒然亭草々役のキャスティングは難航していたといい、ようやく青木さんに出会えたとき満場一致で決まったとのこと。結果、ドラマとともに草々役も話題になり、納得のキャスティングだったことが分かる。
また、大河ドラマにも欠かせない青木さんだが、「鎌倉殿の13人」(22)では、尊敬できる強さと包容力を兼ね備えた新しいリーダー像を感じさせる、これまでにない木曽義仲役を好演、「高潔で恰好良かった」「胸熱!」「まだまだ見たかった…」など、放送後は大きな反響を呼んだ。
大友啓史監督による大ヒット作『るろうに剣心』シリーズ(12~20)で演じたのは、驚異的な腕力の持ち主で、直情的で喧嘩っ早い相楽左之助役。豪傑ではあるが、ただの暴れん坊ではなく“根底に、青木さん自身がもっている繊細さを感じさせる演技”を見せたからこそ愛されるキャラクターになり、大友監督も青木さんの演技を絶賛していた。
さらに、海外進出作となった『犯罪都市 NO WAY OUT』では、“マブリー”の愛称で人気の俳優マ・ドンソクと共演し、極悪非道なヤクザの解決屋・リキ役で大迫力のソードアクションを披露。
マ・ドンソクが「『るろうに剣心』のアクションも素晴らしかった!青木の芝居が大好き!」と熱烈な思いで本作に青木さんを推薦、お互いを“ムネ”“兄さん”と呼び合うほどの仲にもなったという。青木さんが、演技に加えて人柄でも出会う人々を魅了していることが分かるエピソードだ。
最新作『ミッシング』では「監督が書かれた状況の中に自分の身を投じよう」
そして、最新作『ミッシング』では、行方不明の娘を探し続ける父親・豊役を演じている。吉田恵輔監督は、「沙織里(石原さとみ)の熱量を受けとめて守れるような男であって欲しかった」と青木さんをキャスティングしたという。※吉田恵輔監督の「吉」は<つちよし>が正式表記。
青木さんは本作について「僕自身、一児の親として、読むのがとても怖い脚本でした。親である以上、子どもが不幸な目に遭ってしまうというのは、まともには向き合えないことだと思うんです」と吐露する。
「でもその不安感と向き合うしかない。不安の中で無理にでも希望を見つけ出そうとするのか、あるいはもうなるべく蓋をしたいぐらいの気持ちなのか。豊はこう考えているだろうと想像することさえ、思い上がりに近いものになってしまうのではないかと思いました。だからそのわからなさに対して、できるだけ素直に、監督が書かれた状況の中に自分の身を投じようということだけを意識しました」と向き合い方に苦心したことを明かす。
そして「意図的に準備してこういう芝居をしようと考える種類のホン(脚本)ではないというか、いままでの仕事とはまたちょっと違った取り組み方だったと思います」と演技へのアプローチもこれまでになかったものだとふり返った。
役柄として受け止めてもらうシーンが多かった石原さんも、「シーンに向かうまでの過程、準備のときから一緒に共有できて、本当に青木さんには助けられた」と夫婦として現場にいることができた青木さんの存在に感謝する。
本編では、先走る妻・沙織里をなだめたり、客観的な目線で話すなど、事件に対して冷静さを何とか保つような“耐える”シーンが続き、そこからはまさに青木さん自身の苦悩も浮かび上がってくるかのよう。
すでに試写会の後には、青木さんのあるシーンの演技に対して「涙が止まらなかった」「涙腺崩壊した」といった声が続出、さらに「感情的になる妻に対して できるだけ冷静でいようとする夫のありようがリアル」という説得力に圧倒されたという声もあり、本作でも、青木さんが信頼感ある演技で私たちの心を奪うことは必至だ。
『ミッシング』は5月17日(金)より全国にて公開。
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