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「ウルトラマンアーク」辻本貴則、メイン監督で実現した“3分ノーカット”演出 ニュージェネと歩んだ紆余曲折の11年間

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年7月6日 10時0分

 「新しい発想の欠如に危機感を覚えつつも、新しい技術をやらせてもらうことで自分を保っていた」という数年を経て、依頼されたのが「ウルトラマンアーク」のメイン監督だった。「『やべぇ、どうしよう!』と思っている中で引き受けた感じ」と辻本監督は当時の心境を率直に振り返った。

リアルタイム&疑似1カットで描く「3分間」の戦い

 メイン監督を手掛ける上で、前作との差別化が求められるのは、ある意味必然である。「ちょうど『ウルトラマンブレーザー』の製作中にオファーを受けたのですが、僕自身、似たような傾向が続くのはあまり好きではないし、作風を大きくガラッと変えたいと思っていました」と語るが、オファーを受けた際にひとつフックになったのが、プロデューサーから「今回は防衛隊が登場しない内容にしましょう」と言われたことであった。

 ウルトラマンシリーズには欠かせない「防衛隊」。「Z」「トリガー」「デッカー」「ブレーザー」と、ここ数年は防衛隊に所属する主人公がウルトラマンに変身する従来のパターンが踏襲されてきたが、ニュージェネでは過去、「ギンガ」「オーブ」「ジード」「R/B(ルーブ)」「タイガ」と防衛隊が登場しない、もしくは、防衛隊が主人公たちのメインの舞台にはならない作品も製作されている。

 「当初は警察官を主人公にする案もありましたが、最終的に科学の力で怪獣災害に対処する組織(怪獣防災科学調査所=SKIP)を舞台にすることが決まりました。ただ、ウルラマンの世界として、破壊活動を行う怪獣に対して人間が傍観者でいることはあり得ない」と防衛隊自体は作品の背景として設定されることとなった。

 第1話は、主人公・飛世ユウマがSKIPの一員として既に活動しており、ウルトラマンアークとも一体化している状況で幕を開けた。防衛隊から派遣された石堂シュウ(金田昇)の登場が描かれたほかは、単発回に近いテイストで、ある意味、安定した見心地感を抱かせる。そんな中、驚かされたのが、ウルトラマンアークの登場から怪獣・シャゴンを倒すまでの長回し風の疑似1カットだ。シュウがかざしたスマホ画面が捉えた変身直後のアークの姿から、アークアイソードを振りかざしてシャゴンを乗っ取っていた宇宙寄生生物ウーズ(巨大化バージョン)を撃退するまでのおよそ3分、一切カットを割らない体の演出で描き切った。その狙いを辻本監督は以下のように語る。

 「これは事前の取材では一切明かさず、とにかくリアルタイムで体感してほしかったところです。普通ならどこかでカットを割ると思うじゃないですか。それがアークとシャゴンの戦いを観続けていく中、皆さん、どこかのタイミングで『あっ、このまま最後までやるのか!?』と気づいてゾクゾク、ワクワクして欲しいなと」

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