1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

『スパイダーマン:スパイダーバース』が全てを変えた!CGと手描きを両立させた『野生の島のロズ』誕生秘話

シネマトゥデイ 映画情報 / 2025年2月8日 6時15分

 『ヒックとドラゴン』『リロ&スティッチ』のクリス・サンダース監督がピーター・ブラウンの人気児童書「野生のロボット」を息をのむほど美しいアニメーションで映像化し、世界で大ヒットとなっている映画『野生の島のロズ』がついに日本でも公開を迎えた。来日時にインタビューに応じたサンダース監督が、制作秘話やアニメーション映画の現在について大いに語った。(編集部・市川遥)

Q:『野生の島のロズ』の手描きスタイルのアニメーションは美しいだけでなく、自然についてでもあるこの物語に完璧にマッチしていました。どのようにしてこのスタイルにたどり着いたのでしょうか?

 初めて原作本を読んだ時、あるイメージが浮かびました。それは僕が子供の頃、『バンビ』を観た時に感じたフィーリングを強く思い出させるものでした。美しく、優しい筆遣いで描かれた森──タイラス・ウォン(『バンビ』の原画を担当したアーティスト)のスタイルです。

 そして、ロボットと動物たちの物語なので、もし従来のCGのルックで映画を作ったとしたら“子供向けになりすぎるのでは”という点をすごく心配していました。子供たちがこの映画に興味を持ってくれるのはわかっていましたが、僕が頭の中で観たような形で、大人たちがこの映画を観てくれるのかがとても心配で。ですが、僕はとても幸運でした。この本をドリームワークスで映画化することになった時、同社ではアニメーションのビジュアル面で大きな進歩があったんです。『バッドガイズ』(2022)と『長ぐつをはいたネコと9つの命』(2022)では伝統的なCGルックを離れ、ずっとイラスト的なスタイルが採用されることになりましたから。

 そこで美術のレイモンド・ジバックに「これを一体どこまで推し進められるのか」と相談しました。それと同時にビジュアル的な模索もしていて、アーティストの一人であるダニエル・クークオが描いた絵がとても印象派的で、「僕たちが追求するのはこれだ!」となったんです。それはまさに、完成版のビジュアルそのものです。そこでそのルックを追求することにし、レイモンドと彼のチーム、VFXスーパーバイザーであるジェフ・バッツバーグが本当に素晴らしい仕事をしてくれたと言わなくてはなりません。そうしてこの手描きの、印象派的なルックが生まれました。

Q:近年、別スタジオの作品で背景は手描き風、キャラクターは従来のCGルックという映画がありましたが、違和感が強く、互いの良さを打ち消し合っているようにすら感じられました。本作のキャラクターたちは手描きの背景と完璧に融和していますが、どうやってこれを成し遂げたのですか?

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください