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『スパイダーマン:スパイダーバース』が全てを変えた!CGと手描きを両立させた『野生の島のロズ』誕生秘話

シネマトゥデイ 映画情報 / 2025年2月8日 6時15分

 本作のアート本の表紙になっている場面(※夜、木の下に座るロズとチャッカリとキラリ)は、僕がスケッチしたものです。本作にはとても宮崎監督的な瞬間が必要だと思っており、それがこの場面でした。僕は彼の映画にインスパイアされていますし、彼のタイミングの取り方、彼が小さなものに注意を払うやり方が大好きで、それが物語においてとても大きな役割を果たしているんです。

Q:ロズには口がありませんが、その目と動きだけで彼女の感情が手に取るようにわかるのが素晴らしかったです。

 アニメーターたちには本当に感銘を受けました。彼らはバスター・キートン、チャーリー・チャップリンといったサイレント映画のスターから学んでいたんです。彼らがやってのけるだろうというのはわかっていましたけどね。ピクサーが作った短編映画で、一輪車が主人公の『レッズ・ドリーム』(1987)やランプが主人公の『ルクソーJr.』(1986)などもありましたから。一輪車やランプには顔がないけど、そこには全ての感情があった。アニメーターたちは時にそうした制限がある時の方が、真価を発揮するのだと思うんです。

 なので、ロズに彼らが好きなように動かすのに十分な関節を与えられたら、全ての感情を表現することができるという自信がありました。僕がロズに関してピーター(原作本の作者でイラストレーターのピーター・ブラウン)のイラストから唯一大きく変えたのは、彼女の口です。本にはロズにとてもシンプルな線の口がありましたが、アニメーターたちはただ彼女の目で、そのパントマイムで全ての感情を語ることができるとわかっていたので、僕らのロズには口はないことにしたくて。彼らは本当に素晴らしい仕事をしてくれました。僕が思いも寄らなかった風に彼女を動かし、何度も驚かされました。

Q:本作では死が描かれます。時にダークなユーモアとして、時にシリアスに。自然の厳しさやこの世のほろ苦さというものも美しく描写されていますが、どのようにしてそのバランスを取ったのでしょうか?

 本作では、死を“起こりうること”“リアルなもの”として感じられるようにすることが極めて重要でした。なぜなら、動物たちが暮らす島の厳しさを感じられなければ、この映画はうまく機能しないからです。動物たちがなぜそのようにプログラムされているか(=そのような本能があるか)を理解できなかったら、そのプログラムが変わることの意味を理解できない。ほとんどの時間で、僕たちは死をユーモアとして扱っています。なぜなら、あの島では死は常にやって来るものですからね(笑)。だけど2回は、とても真剣に扱いました。デリケートに描くことを心掛けましたが、決して正面から描くことを避けたりはしませんでした。

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