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『スパイダーマン:スパイダーバース』が全てを変えた!CGと手描きを両立させた『野生の島のロズ』誕生秘話

シネマトゥデイ 映画情報 / 2025年2月8日 6時15分

 僕は『ライオン・キング』(1994)にも参加しましたが、同作でムファサが死ぬシーンをしっかり描くことは避けらないことでした。あのシーンなしでは、映画は成立しません。つらい瞬間ですが、それがストーリーに感情的なバランスをもたらし、ストーリーの錨となるのです。『野生の島のロズ』でキラリの家族が誤ってロズに殺されてしまうシーンもそうです。後半、キラリにもそれと鏡映しといえる瞬間が訪れるのが興味深いところだと思います。キラリは自分と家族に起きたことでロズを責めるけれど、それは彼女のせいではない、それは単に、時に起きてしまうことなのだ、と僕たちが指摘するのが重要だったので。それは本にもあることで、ピーターの功績ですね。

Q:原作者のピーター・ブラウンとはたくさんお話をされたのですか?

 彼とは制作期間を通してずっと話していました。実は映画が完成するまで、直接会うことはなかったんですけどね(笑)。なぜなら、この映画の制作を始めた時の彼は「野生のロボット」シリーズ3作目のイラストを仕上げるのですごく忙しくしていて、アメリカ東海岸で囚われていて(笑)。そのあとは引っ越し作業で忙しくなり、第1子が生まれ、彼の人生ではたくさんのことが起きていたわけです(笑)。

 ですが、彼とは常に連絡を取り、僕たちが何をやっているかを話していました。僕たちがなぜそうしているか、わかってほしかったので。そして彼の言葉は、とても重要でした。最も重要な言葉の一つは、彼との最初の電話で出てきたものです。彼が言ったのは、本の執筆時、“優しさはサバイバルスキルになり得るかもしれない”というアイデアが常に頭の中にあったということでした。それは、本に直接的には書かれなかったんですけどね。僕はすぐその言葉を書き留めて、これは映画に入れるべき言葉だと思いました。そういうわけで、フィンクが『優しさはサバイバルスキルではない』と言うことになったんです。ピーターの言葉のある意味、引用する形でね(笑)。

Q:『野生の島のロズ』は続編についての話も出ていますね。監督の次回作は『野生の島のロズ2』になるのでしょうか?

 具体的にはまだ何も始めてはいないんです。原作シリーズにはもう2冊あり、どちらも本当に素晴らしいので、もし本作が成功したら実現するかもしれません。本作の制作は本当に楽しく、原作ものをやるのは大好きです。それと同時に、『リロ&スティッチ』みたいな100%オリジナルの作品もやりたいと思っています。俳優たち、アーティストたち、ミュージシャンたちとの仕事も好きなので、好きなことをやれている自分は幸せ者だと思います。

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