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雪に弱い電気自動車、その噂は本当か? 極寒の地でチェックする!【日産リーフ試乗記】【レビュー:日産】

CORISM / 2012年1月25日 8時8分

日産リーフ

スポーツカー並の重量配分が、滑りやすい雪道でも安定させる

 北海道の士別にある交通科学研究所に設定された特設コースで行われたリーフの雪上試乗会に参加してきました。

 電気自動車のリーフは、気温の低い冬の雪道に向いている面と向いていない面とがあります。向いていない面は、気温の低下によって電池の能力を発揮しにくくなること、タイヤの硬化が燃費の悪化につながること、ヒーターを使うためにその分だけ航続距離が短くなることなどが弱みとなる部分です。

 このうちタイヤについては、日産の関係者も冬季になってリーフの電費が悪化する原因を調べたところ、タイヤの影響が大きいことが分かったとのことでした。頭の中で考えると、寒くなってゴムが硬くなると転がり抵抗が減るのでは、と思うのですが、実はその逆だったということです。

 逆にリーフの強みは低重心や前後の重量バランスなど、基本パッケージが雪道に強いことに加え、ECOモードがそのままスノーモードとして使え、横滑り防止装置のVDCとの組み合わせによって優れた操縦安定性を発揮できることなどがあります。リーフのECOモードには独特のアンダーステア制御も入っていて、これも操縦安定性に貢献しています。

 リーフの重量バランスは、重い電池を低く搭載するために低重心です。それに加え、車両のやや後方寄りに搭載するために前後の重量配分も通常のFF車に比べるとやや後ろ寄りになって、FFとFRの中間くらいのイメージになります。

 ちなみにFFガソリン車のティーダが62:38であるのに対し、EVのリーフは 57:43とのこと。重心の前後位置はドライバーのヒップポイントに近いところにあるとのことです。

ECOモードでは、より安定した走行が可能

 今回の試乗コースは、圧雪路となる数kmのカントリー路、スキッドパッド、パイロンスラロームの3種類が用意されていました。タイヤはブリヂストンのブリザックで統一されていました。

 最初に試乗したのは圧雪路で、ここではVDCをオンにして走るという条件付きでした。なので、ノーマルモードとECOモードでの走りをいろいろ試しましたが、ノーマルモードで走るとVDCが効きっぱなしに近い状態になります。発進時のトラクションコントロールはもちろん、アクセルのオン/オフやブレーキによる減速など、すぐにVDCが介入して車両を安定状態に保ちます。

 VDCの介入しても、ガソリン車だと制御が入ってからエンジンに届くまでに、スロットルを閉じるなどわずかながら物理的に時間がかかる部分がありますが、電子的にモーターを制御する電気自動車では、それが瞬時に反応してくれのもメリットです。その分だけリーフでは高度な制御が入れられています。

 同じコースをECOモードにして走ると、発進時などにラフなペダル操作をしたときや、路面の悪いときには、やはりVDCが介入してくるのですが、普通に走っていると何も起きないという感じです。

 コーナーやアップダウンに合わせて操作するステアリングやアクセルを穏やかに操ると、リーフが挙動を乱すことはなく、安定した姿勢で駆け抜けていくことができました。

 そもそもリーフのECOモードは、航続距離を伸ばすために設定されたものですが、パワーの出方を抑えて効率良く走ろうとすることに加え、前述のアンダーステア制御があることが、雪道での強さにつながっていました。

素性の良さと横滑り防止装置効果で効果絶大!

 リーフは重量バランスの良さが貢献して、パイロンスラロームも得意としていました。やはりECOモードにしてVDCオンで走るとそれこそ単に普通に走れるだけなので、ここではあえてVDCをオフにするなどして、挙動が不安定になるような走りを試しました。

 VDCをオフにすると、オンの状態で走ったようには走れなくなりますが、VDCをオフにしてもECOモードにして走ると、そこそこ走れるなど、重量バランスの素性の良くが雪道での良さにつながっていました。

 自由な走りができる広いスキッドパッドでは、ノーマルモードとECOモードのほか、VDCのオン/オフのほか、わざとフェイントをかけてクルマの挙動を乱した上で、リヤの滑り出しに対応してカウンターを当てるなど、いろいろな走りを楽しませてもらいました。

 安全なスペースが確保された場所だからこそできることですが、こうした場所で練習しておくことが、イザというときの危険回避につながります。

 さすがにリーフでもどうにもならなかったのが、スキッドパッドの中央部分にあったツルツルになったアイスバーン状態の路面。ここではVDCをオンにしていると制御の介入で駆動力が伝わりにくくなり、オフにするとタイヤが空転するばかりで手も足も出ないという感じでした。ECOモードにして、じんわりアクセルを開け、ほうほうのていで脱出しました。

代表グレード 日産 リーフ X[FF]
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4445x1770x1545mm
車両重量[kg] 1520kg
総電力量[kWh] 24kWh
最高出力[ps(kw)/rpm] 109ps(80kW)/2730-9800rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 28.6kg-m(280N・m)/0-2730rpm
JC08モード交流電力量消費率[Wh/km] 124Wh/km
JC08モード一充電走行距離 200km
定員[人] 5人
消費税込価格[万円] 376.425万円
発売日 2010/12/20
レポート 松下 宏
写真 CORISM編集部

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