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光量子計算プラットフォームに世界で初めて量子性の強い光パルスを導入 ~スパコンを超える光量子コンピュータへ突破口~

Digital PR Platform / 2025年1月17日 14時6分


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2341/102485/700_499_202501171047056789b6996719b.png

量子性の強い光パルスが発生したら(a)、それに同期して光パルスをループ内へと誘導して(b)周回させる。そこに補助的なスクイーズド光を入射・測定することで繰り返し演算処理を行い(c)、最後に演算後の光パルスを測定器へと送って計算結果を測定する(d)。光パルスがループ内で周回するか、光測定器へと送られるかは、透過率可変ミラーで制御する。


[画像4]https://digitalpr.jp/simg/2341/102485/700_282_202501171047056789b699a869f.png

演算が期待通り実行されたかどうかを評価するため、演算の前と後の光パルスそれぞれに対して、光の振幅と位相の疑似確率分布を表すWigner関数を測定し、3次元プロットとして示した(xとpが振幅と位相、縦軸が確率に相当)。Wigner関数の負の領域はその光の状態の強い量子性を表しており、2ステップ演算後にも負の領域が残っていることから、演算が高い精度で行われていることがわかる。下の図はWigner関数を上方から見た2次元プロットであり、実験結果とシステムの不完全性を考慮に入れた理論予測を示している。ここで行っているスクイージング演算では、横方向(x方向)成分を小さく減衰させ、縦方向(p方向)成分を大きく増幅する演算で、期待通りWigner関数が変化しているとともに、実験結果と理論予測がよく一致していることがわかる。

〈今後の展望〉
 今回、量子性の強い光パルスを初めて組み込むことで、従来できなかった非線形演算を含む高度な計算へと展開可能な全く新しい光量子計算プラットフォームが実現し、スパコンを超える量子コンピュータ実現への突破口を切り拓きました。このプラットフォームは、ハードウェアは同じまま、プログラムを変更して異なる動作をさせればさまざまな計算を行うことが可能です。このプラットフォームをテストベッドとして利用することで、実際の非線形演算の実装や、量子誤り訂正処理の評価、さらには最適化や機械学習などの量子アプリケーションの探索が大きく進展します。また、今回のプラットフォームで採用している光回路構成は拡張性に優れた独自方式であり、今後これを多数の光パルスを用いた計算ができるシステムへとスケールアップしていくことで、将来的にはスパコンを超える誤り耐性型万能量子コンピュータ実現へつながるものと期待されます。

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