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光量子計算プラットフォームに世界で初めて量子性の強い光パルスを導入 ~スパコンを超える光量子コンピュータへ突破口~

Digital PR Platform / 2025年1月17日 14時6分

(注5)スクイーズド光、スクイージング演算
光の波の振幅や位相は、たとえ光が全く無い(真っ暗な)状態であっても完全にゼロにはならず、常にランダムに揺らいでいます(量子揺らぎ)。振幅もしくは位相のいずれかの揺らぎを通常よりも小さくした光をスクイーズド光と呼びます。スクイーズド光は、光パラメトリック増幅器を用いていつでも好きなタイミングで発生させることが可能で、線形演算、例えばスクイージング演算を実行するためのリソースとして利用できます。スクイージング演算は、入って来た光の波の振幅もしくは位相いずれかの成分を小さく減衰させ、もう片方の成分を大きく増幅して出すような演算です。今回の実証実験では、光の振幅と位相のどちらの成分をどの程度減衰・増幅させるかで、複数種類のスクイージング演算をテストし、いずれも期待通り動作していることを示しました。

(注6)光パラメトリック増幅器
非線形光学効果をもつ特殊な結晶を利用して、入って来た光の波の振幅もしくは位相いずれかの成分を小さく減衰させ、もう片方の成分を大きく増幅して出すような光の変換を行うデバイスです。本研究では、導波路型の非線形光学結晶を用いた光パラメトリック増幅器モジュールが、線形演算を行うために必要なスクイーズド光を発生させる部分と、量子性の強い光パルスを発生させる部分で利用されています。

(注7)光子検出器が光子を検出したタイミングでのみ光パルスを発生
今回、以下のような手順で量子性の強い光パルスを発生させます(図2青色部分)。まず、光パラメトリック増幅器を用いてスクイーズド光パルスを常に発生させ続けます。次に、このスクイーズド光パルスをわずか4%だけ反射するミラーに送ります。この結果、「スクイーズド光パルスがそのまま全て透過するケース」と、「スクイーズド光パルスのほとんどは透過するが、そこに含まれるたかだか1個の光子が反射されるケース」のいずれかがランダムに起こります。後者のケースが起こると、反射された光子が光子検出器に到達し、光子検出信号が得られます。その場合、透過した方の光パルスは「スクイーズド光から1光子引き去った光」となり、これが「シュレディンガーの猫状態」と呼ばれる量子性の強い光パルスとなっています。このようにして、光子検出器が光子を検出したタイミングでのみ、量子性の強い光パルスが発生することになります。

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