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光量子計算プラットフォームに世界で初めて量子性の強い光パルスを導入 ~スパコンを超える光量子コンピュータへ突破口~

Digital PR Platform / 2025年1月17日 14時6分

研究助成
本研究は、科学技術振興機構(JST)創発的研究支援事業「光量子技術の汎用化による量子アプリケーション創出(JPMJFR223R)」、同 ムーンショット型研究開発事業目標6「誤り耐性型大規模汎用光量子コンピュータの研究開発(JPMJMS2064)」、同 共創の場形成支援プログラム「量子ソフトウェアとHPC・シミュレーション技術の共創によるサスティナブルAI研究拠点(JPMJPF2221)」、キヤノン財団による支援を受けて行われました。

用語解説
(注1)汎用型
量子力学に基づく計算原理を用いたコンピュータの中には、特定の種類の計算だけを行う専用マシンとして開発された「特化型」の量子コンピュータもあります。その具体例は、超伝導回路を用いて開発された量子アニーリング専用マシンや、光を用いて開発されたガウシアンボソンサンプリング専用マシンなどです。これに対して、「汎用型」とは、量子コンピュータで高速化できると期待されているさまざまな種類の計算を全て実行できることを目指して開発された汎用性の高い量子コンピュータを指します。

(注2)連続量
一般的な量子コンピュータでは、「0と1の重ね合わせ」である量子ビットを情報単位に用いて計算を行います。一方、「連続的な値(実数値)の重ね合わせ」を情報単位に用いる手法を連続量と呼びます。特に、光の波の振幅や位相は連続的な値を取ることから、光の振幅と位相に連続量の情報を乗せて計算処理を行うことが可能で、本研究もその手法を用いています。

(注3)線形演算、非線形演算
連続量の量子コンピュータでは、連続的な値(実数値)を1個か2個入力すると、あるルールで別の連続的な値に変換して出力するような基本的な演算を何種類か組み合わせて計算を行います。出力値が、入力値の定数倍や足し算・引き算の関係にあるような演算を線形演算と呼び、そうでない演算(入力値同士の掛け算など)を非線形演算と呼びます。線形演算と非線形演算を組み合わせると、どのような入出力関係でも作り出すことが可能であるため、あらゆる計算ができる量子コンピュータが実現できます。

(注4)量子性の強い光パルス、「シュレディンガーの猫状態」の光パルス
量子性の強い光パルスとは、光子が1個だけの状態や、「シュレディンガーの猫状態」と呼ばれる振動のタイミングが反転した2つの波の量子力学的な重ね合わせ状態など、量子力学的性質を顕著に表す光の状態を指します。これらの光の状態は特殊な非線形光学プロセスでしか発生させることができず、多くの場合にその発生タイミングはランダムになります。このような光パルスは、非線形演算を実行するためのリソースとして利用できるほか、量子誤り訂正のために必要な特殊な光量子ビットの状態を作り出すためにも利用できます。

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