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高速でリアルタイムな光量子もつれ生成――従来の1000倍以上の高速量子相関が開拓する新時代――

Digital PR Platform / 2025年1月29日 19時0分


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/103177/500_211_202501291300256799a7d956bbf.JPG


左側は光量子もつれの生成システムを、右側は高速測定システムを表す。量子もつれ状態生成および位相敏感増幅はポンプ光と導波路OPAの相互作用によって実現され、プローブ光は実験系の位相制御に用いられる。量子もつれ状態は5Gホモダイン測定器で検証される。

 図3が測定結果となっています。まず図3上段はリアルタイムの測定結果であり、2モードの測定結果がピコ秒スケールの相関を有していることが読み取れます。従来の量子相関測定の典型的な時間スケールは高々ナノ秒程度であり、文字通り桁違いの高速化に成功したことがわかります。また、2モード間の相関が量子的な相関であることを確認するために周波数領域の解析を行った結果が図3下段に示される通りです。この図ではショットノイズレベルと呼ばれる古典相関の限界を下回る相関の存在が示唆されており、古典物理では説明できない量子もつれを60GHzまでの全帯域で観測したと結論付けられます。


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2341/103177/500_400_202501291300266799a7da34d24.JPG


上段:リアルタイムの量子もつれの測定。HD1、HD2 はそれぞれ図2中の2つのホモダイン測定の出力を表す。下段:量子もつれの周波数領域。左右はそれぞれホモダイン測定(注5)のx,p方向の基底での測定結果を示している。上段では、ピコ秒オーダーで正及び負の相関がx,p基底の測定で観測されており、これは量子相関の証左となっている。下段の0dBは古典のショットノイズレベルを表し、それを下回る領域(青線)が量子もつれの証拠である。

今後の展望
 本研究では2者間の量子もつれの60GHz帯域リアルタイム測定に成功しました。これは従来の量子もつれ測定の1000倍以上の高速化に成功したものです。さらに、この手法は2者間よりさらに大規模な量子もつれにそのまま拡張することができます。例えば、本研究グループの光量子計算プロセッサー(関連情報2参照)に今回の技術を組み合わせることで、60GHzの光量子計算が実現可能となります。これにより、光量子システムのクロック周波数が現状の古典コンピュータを凌駕するような未来が期待されます。さらに、量子もつれは量子計算のみならずさまざまな量子技術の重要なリソースであり、今回開発された技術は量子通信やセキュリティ、次世代の超高速量子ネットワークの基盤技術としての応用も期待されます。

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