高速でリアルタイムな光量子もつれ生成――従来の1000倍以上の高速量子相関が開拓する新時代――
Digital PR Platform / 2025年1月29日 19時0分
(注4)リアルタイム測定
実用的な量子計算や量子通信などの量子情報処理の応用には、リアルタイムな量子測定が必要不可欠となります。ここでいうリアルタイムと対照的な概念となるのは、ポストプロセス(事後処理)による情報処理です。これは、読み出された情報を一度すべて保存して、あとで保存された情報に対して処理を行うものです。ポストプロセスによる情報処理は、膨大なデータ保存量と情報処理の遅延が生じるため、原理実証レベルの実験では適していても、量子情報処理の実用上は用いることができません。光の系においては、リアルタイム測定としてホモダイン測定と呼ばれる量子測定が一般的に用いられます。ホモダイン測定は、光の位相と振幅情報を同時にリアルタイムに読み出すことができる一方で、精密な位相制御などが求められ実験上の難易度が高い測定になっています。本研究では、位相制御の新手法を開発し2台の高速ホモダイン測定とその2者間の同期を実現しています。
(注5)ホモダイン測定
光を用いた量子情報処理では、量子情報は光の振幅と位相に対してエンコードされることになります。ホモダイン測定は、特定の位相方向の光の振幅を測定することのできる量子測定手法となっています。一般的な光の測定としては、フォトディテクタによる光のパワー測定がよく用いられますが、パワー測定では、光の位相情報を読み取ることができないため、量子情報処理における測定としては適しません。測定誘起型量子計算と呼ばれる種類の量子計算手法では、ホモダイン測定とその測定結果に応じたフィードフォワード操作を繰り返し行うことによって、具体的な量子計算を実行することができます。
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