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高速でリアルタイムな光量子もつれ生成――従来の1000倍以上の高速量子相関が開拓する新時代――

Digital PR Platform / 2025年1月29日 19時0分

DOI:
10.1038/s41566-024-01589-7

URL:
https://www.nature.com/articles/s41566-024-01589-7

6.研究助成
本研究は、科学技術振興機構(JST)ムーンショット型研究開発事業 ムーンショット目標6「2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現」(プログラムディレクター:北川 勝浩 大阪大学 量子情報・量子生命研究センター センター長)研究開発プロジェクト「誤り耐性型大規模汎用光量子コンピュータの研究開発(JPMJMS2064)」(プロジェクトマネージャー(PM):古澤 明 東京大学大学院工学系研究科 教授)による支援を受けて行われました。

<用語解説>
(注1)量子もつれ
量子もつれは量子力学的な現象であり、物理量の間に生じる特殊な相関となっています。この相関のもとで、量子もつれを有する2者がたとえ離れた場所に位置していても互いに影響を及ぼしあうことが知られています。この現象は古典物理学の範囲では説明することができず、アインシュタインも「不気味な遠隔作用」と呼び、その奇妙さを指摘しています。しかしながら、多くの先行実験によって、量子もつれの存在は実証されており、2022年には量子もつれの実証に貢献した3名にノーベル賞が授与されています。この量子もつれをリソースとして、量子計算や量子通信、量子計測などさまざまな量子技術の応用が実現されることが期待されています。

(注2)クロック周波数
クロック周波数は、コンピュータや電子機器の動作速度を示す指標の1つです。これは、1秒間にどれだけの計算を行うことができるかを示しており、単位はヘルツ(Hz)で表されます。一般的にはクロック周波数が高ければ高いほど、短時間で多くの計算や情報処理を行うことができるため、実用上は有利となります。現在一般的に用いられている古典コンピュータでは、クロック周波数はGHz(1秒間に10億回)程度になっています。

(注3)光パラメトリック増幅器(OPA)
光の情報処理において、量子情報は光の振幅と位相情報に書き込まれます。光パラメトリック増幅は特定の位相方向の振幅を増幅させ、逆にその位相に直交する方向の振幅を減衰させる操作(スクイージング操作)を実現する量子光学的現象です。このスクイージング操作は光量子情報処理において、量子光源の生成や高速測定などにおいて重要な役割を果たしています。光パラメトリック増幅は実験的には、非線形光学結晶を用いた非線形光学効果によって実現されます。本実験においては、PPLN結晶と呼ばれる導波路状の非線形光学結晶が内蔵された光パラメトリック増幅器を用いて、スクイージング操作を実現しています。

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