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【東京農業大学】庫本 高志 教授が可能にする“安心安全な牛乳”の国内提供 ~日本A2ミルク協会による「A2ミルク」が、東京農業大学稲花小学校で提供開始~

Digital PR Platform / 2024年2月15日 12時47分

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いきなりですが、牛乳を飲んでお腹が痛くなった経験はないでしょうか?

東京農業大学 農学部 動物科学科の庫本 高志 教授は重井医学研究所と共同で2023年、「お腹に優しい」牛乳とされ、海外でも人気上昇中の「A2ミルク」を生乳から特定する技術を開発。「A2ミルク」の品質検査が手軽に行えるようになったことで、日本国内での安定的な提供に向けて大きく前進したと期待されています。

来る3月4日(月)からは、東京農業大学の併設校・東京農業大学稲花小学校(以下、農大稲花小)の学校給食にて、日本A2ミルク協会による「日本A2協会牛乳」の提供が決定しました。(※提供日時は諸事情により急遽変更となる可能性がございます。)

ではこの「A2ミルク」、何が凄くてどのような効果が期待できるのか、これまでの研究成果と今後への期待について、庫本教授から解説をいただきました。

[画像1]https://user.pr-automation.jp/table_img/2209/83150/83150_web_1.png

■「A2ミルク」とは
牛乳のタンパク質成分のβカゼインには、2つの型があります。1つはA1型βカゼイン(以下A1)で、もう一方はA2型βカゼイン(以下A2)(図1)。A1になるかA2になるかは血液型のように遺伝子で決まります。日本にいるホルスタイン種からとれる一般的な牛乳には、A1とA2A1が混じっています。「A2ミルク」は、A2のみを含む牛乳を産生する牛から搾られた牛乳で、A1は含まれません。(図2)。
[画像2]https://user.pr-automation.jp/table_img/2209/83150/83150_web_2.png

■なぜ「A2ミルク」?
「A2ミルク」は、「乳糖不耐症」の方が牛乳を飲んだ時に経験する腹痛やお腹の不快感を軽減します。また、A1が腸内で消化されると、炎症を誘発する生理活性ペプチドが遊離します。これらのことから、「A2ミルク」はおなかにやさしい牛乳、お腹がゴロゴロしない牛乳として注目されています。実際に、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ合衆国では、付加価値の高い牛乳として知られており、スーパーの陳列棚の一角を占めています。

■「A2ミルク」を日本で作るには?
①:遺伝子の検査をしてA2のみをつくる牛を選抜する
A1はβカゼイン遺伝子のA1アレルによってコードされており、A2はβカゼイン遺伝子のA2アレルによってコードされています。つまり、A1A1ホモの牛からはA1のみ、A1A2ヘテロの牛からはA1とA2、A2A2ホモの牛からはA2のみを含む牛乳が得られます(図2)。そのため、「A2ミルク」を生産するには、最初にA2A2ホモの牛群を作る必要があり、牛の遺伝子診断が必要となります。庫本教授らの研究室では、2021年に簡便・正確に遺伝子診断を行う手法を確立しました(Yamada et al., Anim Sci J, 2021)。

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