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【東京薬科大学】膜タンパク質の細胞外領域相互作用を網羅的に解析できる新技術を開発--革新的な技術で創薬標的の不足を解消し、市販薬改良への手がかりも解析可能に--

Digital PR Platform / 2024年2月21日 14時5分

4) タンパク質間相互作用(PPI)
タンパク質には単独で機能するものもありますが、多くのタンパク質は他のタンパク質や生体高分子と相互作用することによってその機能を発揮します(例えば、転写因子、構造タンパク質、シグナル伝達に関わるタンパク質など)。そのため、タンパク質間相互作用の情報は、タンパク質の機能を解明するために不可欠です。これまでに酵母ツーハイブリッド法、免疫沈降など、様々な手法が用いられてきており、多くの重要なタンパク質が見つかっています。複数の異なる手法を用いることで、細胞内タンパク質の制御をより深く理解することができるので、常に新たな相互作用解析技術が求められています。

5) 細胞外領域PPI(exPPI)
細胞外領域PPIは英語でExtracellular Protein-Protein Interactionと言われるためその頭文字をとってexPPIと略語で呼んでいます。膜タンパク質は、膜を貫通するドメインである膜貫通ドメインと細胞外に出ているドメインである細胞外ドメイン、細胞内に存在するドメインの細胞内ドメインから構成されます。そのうち細胞外ドメインのPPIを解析することは、細胞内ドメインのPPI解析よりも難しいことが知られています。この理由としては、細胞外ドメインのPPI解析ツール開発が細胞内ドメインのそれよりも圧倒的に遅れているためです。よってexPPI解析ツールの開発が必要とされています。

6) 近接依存性ビオチン標識酵素(AirID)
タンパク質間相互作用解析技術の一つです。近接依存性ビオチン標識酵素を融合したタンパク質とビオチンを共存させるだけの簡便な反応により、鋭敏な相互作用解析を可能にします。簡便かつマイルドな条件での解析が可能であり、生きた細胞や生物個体を用いた解析も可能なため、大変注目されています。AirIDは従来用いられているビオチン化酵素 BirA を基に、進化工学的手法を用いて愛媛大学で開発された新規酵素です(Kido, et al., eLife 2020)。従来の酵素と比較して薬剤依存的なビオチン化反応に有効であることが報告されています(Yamanaka et al., Nat commun 2022)。

7) ドメイン
ドメインとは、タンパク質の中の特定の部分を指します。タンパク質は、アミノ酸と呼ばれる小さな分子が連なってできており、これらが長い鎖のようにつながっています。タンパク質ドメインは、この長い鎖の中で独自の構造を持ち、特定の機能を果たす部分です。例えば、あるタンパク質ドメインは、他のタンパク質や分子と結合する役割を持ち、別のドメインはタンパク質が適切な形に折りたたまれるのを助けるものもあります。ドメインはタンパク質の「パーツ」のようなもので、それぞれが特定の仕事を担当しています。

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