金属元素を使わないカーボン系材料のみの電子回路を開発 ―― 有機半導体技術により電子ゴミ問題解消に貢献 ――
Digital PR Platform / 2024年3月28日 11時8分
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/85677/700_314_202403271840146603e97e86b3c.JPG
図1. 全カーボン製の相補型インバータ回路
a) 回路の偏光顕微鏡写真。青で示した箇所がp型有機半導体、緑がn型有機半導体。
b) 回路図と真理値表。
c) 異なる電源電圧(5~30 V)における電圧トランスファーカーブとシグナルゲイン。入力電圧Vinを増加させると、出力電圧Voutが Vin = Voutとなる点を境に減少に転じる。
元素分析とICP-MS(Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometry、注8)を用いた網羅的かつ高感度な組成分析を詳細に行ったのは今回が初めてであり、その結果、電子回路中の金属元素の全量が僅か50 ppm(0.005 %)未満であることを確認しました。この値は土壌中の様々な金属元素の含有量と比較しても著しく低い値です。さらに、通信用回路の実現に向け、アナログ・デジタル集積回路を作製しました。具体的には、自己発振回路であるリングオシレータ、もっとも基本的な論理回路の一つであるインバータ(NOT回路)、記憶素子としても用いられるDフリップフロップ、そしてパラレルデータをシーケンシャルデータに変換するマルチプレクサです。これらを相互接続して構築した64個のp型およびn型トランジスタから成るディスポーザブルな4-bit ID出力電子回路は室温大気下であっても安定に動作することを世界で初めて実証しました(図2)。
[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2341/85677/700_343_202403271840146603e97e7499d.JPG
図2. 全カーボン製のアナログ・デジタル回路から構築した4-bit ID出力デバイス
a) 全体の回路図。リングオシレータ(RO)をクロックジェネレータとして用い、二つのDフリップフロップ(DFF)を同期させて2-bit カウンタとして動作させる。その出力Q1, Q2を4´1マルチプレクサの選択信号として用い、プリセットした4-bit IDをシーケンシャルに出力する。
b) 4-bit ID = 0101のときの各段の出力信号。ROの波形の立ち上がりがポジティブエッジとして機能し、2-bit カウンタが切り替わっている。それに合わせてマルチプレクサが4-bit IDをData 1 → 3 → 4 → 2 → 1…の順に繰り返し出力している。
この記事に関連するニュース
-
OIST、有機電気化学トランジスタのON時に生じるタイムラグの原因を解明
マイナビニュース / 2024年5月7日 15時48分
-
高電圧/高電流アプリで注目、IGBTを活用する際に知っておくべきこと
マイナビニュース / 2024年5月1日 6時30分
-
【中部大学】運動の学習を実現する人工小脳デバイスを開発---ロボットの制御や人の運動制御能力増強・改善への活用に期待---
Digital PR Platform / 2024年4月25日 20時5分
-
東大など、磁性半金属の性質をゲート電圧で変調させることに成功したと発表
マイナビニュース / 2024年4月16日 18時59分
-
理研、全塗布プロセスの有機光電子デバイスで「超薄型光脈波センサ」を実現
マイナビニュース / 2024年4月13日 8時15分
ランキング
-
1「サイゼが潰れたら喜ばしい」創業者が語る真意 「世の中が良くなることは、すべて最高だ」
東洋経済オンライン / 2024年5月12日 12時20分
-
2「超円安」に悲鳴!外食業界で続く値上げの波 「1ドル=160円」なら全面値上げも続出か
東洋経済オンライン / 2024年5月12日 7時50分
-
3総額9000億円「築地再開発」に渦巻く期待と不安 国際競争力の向上と環境への配慮の二兎を追う
東洋経済オンライン / 2024年5月12日 7時40分
-
4ヨーカドーの跡地が「世界最大級の無印良品」に…過疎地の商業モールを復活させた「社会的品揃え」の魅力
プレジデントオンライン / 2024年5月11日 9時15分
-
5危険な「第4種踏切」なぜ無くならない? 事故が起きてから重い腰を上げる行政
乗りものニュース / 2024年5月12日 9時42分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください