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東大など、磁性半金属の性質をゲート電圧で変調させることに成功したと発表

マイナビニュース / 2024年4月16日 18時59分

画像提供:マイナビニュース

東京大学(東大)、理化学研究所(理研)、科学技術振興機構(JST)の3者は4月15日、磁性半金属「テルル化クロム」の強磁性転移温度、磁気異方性、異常ホール効果などの性質を、ゲート電圧で変調することに成功したと共同で発表した。

同成果は、東大大学院 工学系研究科 附属量子相エレクトロニクス研究センターの中野匡規特任准教授(理研 創発物性科学研究センター(CEMS) 創発機能界面研究ユニット ユニットリーダー(現・芝浦工業大学 工学部 教授)兼任)、同・平山元昭特任准教授(CEMS トポロジカル材料設計研究ユニット ユニットリーダー兼任)、東大大学院 工学系研究科 物理工学専攻の岩佐義宏教授(研究当時)(CEMS 創発デバイス研究チーム チームリーダー兼任(現・CEMS 副センター長/CEMS 創発デバイス研究グループ グループディレクター)兼任)、同・梶原駿大学院生(研究当時)、同・王越大学院生(研究当時)、東大 生産技術研究所の松岡秀樹特任助教(CEMS 創発デバイス研究チーム 基礎科学特別研究員(現・同チーム 客員研究員)兼任)、東大 先端科学技術研究センター 計算物質科学分野の野本拓也講師(現・東京都立大学 理学部物理学科 准教授/CEMS 計算物質科学研究チーム 客員研究員兼任)、同・有田亮太郎教授(CEMS 計算物質科学研究チーム チームリーダー兼任)らの共同研究チームによるもの。詳細は、米国科学振興協会が刊行する「Science」系のオープンアクセスジャーナル「Science Advances」に掲載された。

スピントロニクスデバイスへの応用が期待できることから、電気が流れる磁性体が注目されている。そのような磁性体を構成する物質系には、鉄に代表される金属磁性体や、半導体に磁性イオンを添加することで得られる希薄磁性半導体などがあるが、近年になって新たな研究対象とされているのが磁性半金属。

磁性半金属は、そのバンド構造におけるバンド交差点が磁性と関連し、さまざまな機能性を提供することが期待されている。その応用の1つとして研究開発が進められているのが、ゲート電圧によって磁性を制御できる「磁性体ゲートデバイス」。

磁性半金属を用いた磁性体ゲートデバイスでは、磁性半金属のバンド交差点付近に存在する伝導電子が、強磁性転移温度、磁気異方性、磁気輸送特性など、多岐にわたる磁性に影響を及ぼすことが期待されている。しかし、磁性半金属は存在が希少ということもあり、そのような研究はこれまでほぼ行われてこなかったという。

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