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エアコンから採取されたカビのアレルゲン情報公開

Digital PR Platform / 2024年3月28日 14時0分

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~タンパク質解析技術により、カビのアレルギー原因究明に貢献~

 藤田医科大学 医学部 内科学・第2 (所在地:愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1番地98 学長:湯澤由紀夫)、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト) 理事長:長谷川史彦 本所:東京都渋谷区西原2-49-10)は、エアコンから採取されたカビ(Aspergillus fumigatus(※1)NBRC 113945)のタンパク質とアレルゲンの情報を、NITEが運営する「生物資源データプラットフォーム(DBRP(※2))」に登録し、3月27日から公開を開始しました。これらの情報は、アレルギー性喘息やアレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)の原因究明および検査のために役立つデータとなることが期待されます。

 今回の公開情報URL
 https://www.nite.go.jp/nbrc/dbrp/dataview?dataId=PROJ0000100000017





▌研究のポイント
・エアコンに存在するカビやキノコ類を調査し、タンパク質とアレルゲン情報を解析した
・カビが原因とされているアレルギー性喘息やアレルギー性気管支肺真菌症などの疾患とエアコン内のカビやキノコとの因果関係解明の手掛かりとなる
・DBRPに公開された情報が活用され、さらに病態が解明されることにより、エアコンや空気清浄機等のフィルターの改良および一般臨床でのアレルゲン検査が可能になり発症前の早期発見や重症化予防につながることが期待される


▌研究の背景
 日本人の7%ほどが喘息に罹患しているといわれ、喘息は患者さんの日常生活に大きな影響を与えています。さらに、喘息患者の約10%が真菌アレルギー喘息で、真菌アレルギーがあると喘息が重症化することが知られています。また、そのような患者さんは、室内の真菌濃度が高いと喘息症状が悪くなります (*1) 。新型コロナウイルス流行以後、室内で過ごす時間も多くなり、室内アレルゲンに対する知見や対策の社会的意義は、高くなっています。
 室内に増悪因子がある場合、睡眠の質が下がることも多く、実際に喘息患者さんの多くが夜間症状で苦しんでいます。室内の空気に影響を与えるエアコン内の真菌調査はこれまでに知見が乏しく、どのような真菌が患者宅のエアコン内に存在するのかを明らかにする事は、患者の日常生活の質にも関わる重要な課題です。
 カビが原因である喘息症状を起こす病気に、Aspergillus属のカビが人の気管支に入って発症するアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA:allergic bronchopulmonary aspergillosis)が知られています。Aspergillus属は土壌や住環境など、どこにでも存在するカビですが、好温性のAspergillus属は、通常のカビと違い人の体温でも繁殖し悪い影響を与えることがあります。また、Aspergillus属だけでなく、担子菌(キノコ)など他の真菌類もABPAと同様の病気を引き起こすことが知られており、これらを総称してアレルギー性気管支肺真菌症(ABPM:allergic bronchopulmonary mycosis)と呼んでいます。しかし、真菌(カビやキノコ)を吸入することでアレルギー疾患が悪化する事例は報告されているものの、エアコン内のカビやキノコとの関係は明らかになっていない実態がありました。

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