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地下深部の極限的な環境に常識外れな古細菌を発見-メタン生成古細菌がメタン生成能を失う適応進化-

Digital PR Platform / 2024年6月13日 20時5分


論文情報                                
<タイトル>
A non-methanogenic archaeon within the order Methanocellales
<著者名>
Shino Suzuki, Shun'ichi Ishii, Grayson L. Chadwick, Yugo Tanaka, Atsushi Kouzuma, Kazuya Watanabe, Fumio Inagaki, Mads Albertsen, Per H. Nielsen, Kenneth H. Nealson
<雑誌>
Nature Communications
<DOI>
10.1038/s41467-024-48185-5

補足説明                                
[1] 強アルカリ
非常に塩基的な水溶液。水素イオン指数(pH)が7より大きく塩基的なことをアルカリ性、pH11以上の場合を強アルカリ性という。pHが高いということは、水素イオン濃度が低いことを意味し、強アルカリ性環境は、生命の維持が困難な極限環境の一つである。
[2] 還元的
酸素が存在せず、水素(電子)が多く存在する水溶液の性質を表し、酸化還元状態は水溶液中に遊離している電子の量(電位)を測ることで知ることができる。「ザ・シダーズ」蛇紋岩流体の酸化還元電位(Eh)は-700mVから-550mV。
[3] メタゲノム解析
サンプルから回収された全ゲノムDNAの塩基配列を決定し、解析する方法。微生物が生態系を構築している環境サンプルに適用することにより、微生物の培養なしでも、環境中に生息する微生物の遺伝子情報を獲得することができるようになった。さらに近年では、生態系を構成する各微生物のゲノム(各生物が持つ全ての核酸上の遺伝情報の総体)を同定することが可能となってきた。
[4] 補酵素
酵素はタンパク質単体で活性を示すものもあるが、それ単体では活性を示さないものもあり、その際に、酵素の触媒作用の発現に必須の低分子有機化合物。補酵素B(H-SCoB)とメチル補酵素M(CH3-SCoM)は、Mcrの活性に必須な補酵素である。
[5] 3次元立体構造予測
すでにアミノ酸配列と構造が決定されているタンパク質のデータベースに基づき、未知の立体構造を予測すること。近年リリースされたAlphaFold2により、機械学習を用いてアミノ酸配列からその立体構造を高い精度で予測することが可能となった。

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