【東京医科大学】がん細胞をはじめとする種々のエクソソーム分泌の新たな機序解明 ~ 乳がんなどのがん転移阻害剤の開発に貢献する可能性 ~
Digital PR Platform / 2024年7月24日 20時5分
東京医科大学(学長:林由起子/東京都新宿区)医学総合研究所未来医療研究センター分子細胞治療研究部門の落谷孝広特任教授、山元智史助教(特任)(現 国立医薬品食品衛生研究所)、西田奈央助教(特任)(現 早稲田大学高等研究所講師)、分子病理学分野黒田雅彦主任教授らの研究グループは様々な種類のがん細胞において、がんの悪性化に関わると報告がされている細胞外小胞(Extracellular vesicle: EV)*1の分泌を制御している因子としてmiR-891bとそのマイクロRNA*2のターゲットであるPhosphoserine aminotransferase 1: PSAT1を発見しました。
【概要】
東京医科大学(学長:林由起子/東京都新宿区)医学総合研究所未来医療研究センター分子細胞治療研究部門の落谷孝広特任教授、山元智史助教(特任)(現 国立医薬品食品衛生研究所)、西田奈央助教(特任)(現 早稲田大学高等研究所講師)、分子病理学分野黒田雅彦主任教授、国立がん研究センター研究所病態情報学ユニット山本雄介ユニット長、中山淳特任研究員(現 大阪国際がんセンター)、名古屋大学医学部産婦人科横井暁病院講師らの研究グループは様々な種類のがん細胞において、がんの悪性化に関わると報告がされている細胞外小胞(Extracellular vesicle: EV)*¹の分泌を制御している因子としてmiR-891bとそのマイクロRNA*²のターゲットであるPhosphoserine aminotransferase 1: PSAT1を発見しました。PSAT1は大腸がん、肺がん、乳がんをはじめとして多くのがん種で発現が高くなっています。それらPSAT1の発現量を抑制することでEVの分泌量も抑制できたことから、多くのがん種においてPSAT1がEV分泌に関わることが明らかとなりました。またPSAT1の発現は高転移性のがん細胞株で上昇しており、PSAT1の発現を抑制すると乳がんの骨転移が抑制されました。この研究成果からPSAT1によるEVの分泌抑制が新たながんの治療戦略になる可能性が示唆されました。
この研究成果は、7月23日午前11時(米国東部時間)、オープンアクセスジャーナルの「Cell Reports」に掲載されました。
【本研究のポイント】
・miR-891bを介したPSAT1の発現抑制によってがん細胞のEV分泌が制御されています。
・がん細胞においてセリンセラミド経路がEVの分泌に重要であることを示しました。
・PSAT1を介して上昇した骨転移性乳がん細胞に由来するEV分泌は破骨細胞*³を活性化させます。
・動物実験においてEVを介したがん転移にPSAT1が寄与することを明らかにしました。
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