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世界初、アト秒光パルスの発生原理である高次高調波発生において偏光、波面形状の同時制御に成功 ~分光、レーザー加工、光ピンセット、情報通信などに広く関わる光の制御法則の解明~

Digital PR Platform / 2024年8月21日 15時9分


[画像4]https://digitalpr.jp/simg/2341/93552/600_336_2024082015380766c439cf21615.png


図4 固体結晶にタイトフォーカス(焦点距離の短いレンズで集光)された光が作る偏光状態

3.実験の概要
 固体結晶において高次高調波発生を起こし、変換される様々な波長の光の円偏光や光渦の状態の制御が実現していることを観測により明らかにしました。
 波長2500nmの強い赤外フェムト秒レーザー光(※10)の円偏光ガウシアンビームを発生し、1軸性結晶である2mm厚のセレン化ガリウム(GaSe)結晶に6mmの焦点距離のレンズを用いて集光することで高次高調波発生を起こしました(図5)。集光したレーザー光の周波数の何倍も高い周波数に対応する、赤や橙や青の光を偏光成分ごとに分解した後、発生した光をカメラで撮影することで高調波のビームの空間形状を確認しました。その結果、赤、橙、青などの様々な波長の高調波が得られ、その波長、偏光成分に依存したビームの空間形状が観測されました(図6)。タイトフォーカスをするとき、しないときを比較すると固体結晶と相互作用する赤外光の偏光の空間分布に違いがあるために、現れる高調波の空間形状が大きく異なります。タイトフォーカスしない際には次数と偏光に対する従来から知られた法則に従って高調波が発生しており、そこには通常のビームの断面形状しか現れません。一方でタイトフォーカスした際にはドーナツ状やかざぐるま状のビームの断面形状が観測されました。ドーナツ形状(3次)は1つの光渦の状態、風車(4次)は異なる複数の光渦が同時に発生していることを示しています。これらの観測結果は今回導いた1つの変換法則に従って同時制御された選択的な円偏光、光渦状態であることが明らかになりました。


[画像5]https://digitalpr.jp/simg/2341/93552/600_212_2024082015380766c439cf6a09d.png


図5 高次高調波発生のための光学実験系


[画像6]https://digitalpr.jp/simg/2341/93552/600_629_2024082015380766c439cf91335.png


図6 撮影された高調波のビームの空間形状(片方の円偏光状態の成分の高調波のみ示す)と変換法則

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