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世界初、アト秒光パルスの発生原理である高次高調波発生において偏光、波面形状の同時制御に成功 ~分光、レーザー加工、光ピンセット、情報通信などに広く関わる光の制御法則の解明~

Digital PR Platform / 2024年8月21日 15時9分

※6.光渦
光渦は、光の波面が空間的にねじれている光の状態です。光渦の中心には位相が不連続になる特異点があり、ビームの中心で光の強度はゼロになったドーナツ状の断面の強度分布をもちます(図2)。数学的にはレーザービームの伝搬を記述する方程式の解の1つであるラゲールガウシアンモードであらわされます。渦の巻き数と右巻きか左巻きかを表す整数値で特徴づけられる独立な光渦状態が存在します。光渦は現在、超解像顕微分光、微小物質の光ピンセット、無線光通信など様々な分野で応用されています。

※7.光の円偏光と光渦を相互に変換する方式
光渦の作成方法の一つです。光渦の作成方法はいくつもあり、多くの場合ガウシアンビーム(※8)の波面を特殊な光学素子により変換する方式が用いられます。例えば、空間的にらせん状に厚みを変えた透明な板(らせん位相板)を通すことで光渦への変換が可能です。それらの変換する方式の中で光の円偏光と光渦をあたかも相互に変換させるような方式があります。その例が厚い1軸性結晶(※9)に対して、その光学軸(※9)に平行な方向から焦点距離の短いレンズでビーム集光するというもので、光の複屈折(屈折率が光の進行方向に垂直な2方向の間で異なることで光の偏光に応じて光の進む速さが物質内で異なること)を利用したものです。今回の実験において光学軸は結晶の厚み方向に向いています。物理学において光の円偏光の回転方向は「スピン角運動量(粒子の自転運動を表す量)」、光渦の渦度が「軌道角運動量(粒子の公転運動を表す量)」に対応することから、「スピン軌道相互作用」と呼ばれる電子などに対して現れる効果の光に対する類推としても注目を集めています。

※8.ガウシアンビーム
波面形状が平面状であり(光渦でない)、ビームの中心から外側に向かって強度が徐々に(ガウス関数に従って)小さくなる断面構造をもつビームが通常のレーザービームであり、ガウシアンビームと呼ばれます(図2)。

※9.1軸性結晶
1軸方向にだけ異なる光の屈折率をもつ結晶。その1軸方向を光学軸と呼びます。

※10.フェムト秒レーザー光
レーザー光が定常的でなく時間的にパルス状に光るもので、光っている持続時間がフェムト秒(1000兆分の1)単位の時間であるレーザー光。

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