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世界初、アト秒光パルスの発生原理である高次高調波発生において偏光、波面形状の同時制御に成功 ~分光、レーザー加工、光ピンセット、情報通信などに広く関わる光の制御法則の解明~

Digital PR Platform / 2024年8月21日 15時9分

※2.高次高調波発生
高調波発生は、基本波(元のレーザー光)からその整数倍の周波数(整数分の1の波長)を持つ光(高調波)を発生する現象です。2倍、3倍の周波数に変換する過程はそれぞれ2次、3次高調波発生と呼ばれ、さらに高い整数倍の周波数に変換する場合は一般に高次高調波発生と呼ばれます。

※3.対称性
対称性とは、ある物理的または数学的な系が特定の変換を行ってもその性質や形状が変わらないことを指します。これは、自然界の法則や物理現象において非常に重要な概念です。例えば、図形を60°、90°、120°、180度など回転させても同じ形に見える場合、その図形は回転対称性を持つと言えます。特に動的対称性は非常に強い光を物質に照射した際に有用な考え方です。強い光が照射されると物質はもとの状態から大きく変化し、光と物質が渾然一体となった状態を形成します。その際に、物質に対して光の電磁波が時間周期的な外力として働くため、光がもつ時間周期性と光、物質の両方がもつ空間対称性を同時に含んだ対称性である動的対称性が物質の光応答を決めます。

※4.アト秒光パルス発生
1990年頃に希ガスに強い赤外フェムト秒レーザー光(※10)を照射することで極端紫外領域まで到達する幅広い周波数の高次高調波の光が発生することがわかりました。2000年代初頭には発生した高調波の光がアト秒(100京分の1秒)単位の時間しか持続的に光らないパルス状の光になっていることが実験的に確かめられ、人類史上もっとも高速なストロボ撮影を可能にした技術として2023年にノーベル物理学賞が与えられています。NTT物性研においてもこのアト秒光パルスの発生技術を長年にわたって研究しています。
過去の関連ニュースリリース URL:
https://www.rd.ntt/brl/latesttopics/2014/12/latest_topics_201412171858.html
https://group.ntt/jp/newsrelease/2016/04/11/160411b.html
https://group.ntt/jp/newsrelease/2018/04/17/180417a.html
(アト秒光パルスを用いた電子の世界最速レベルのストロボ撮影)

※5.円偏光
直線偏光が電場の振動方向が一定の方向に固定された光の状態であることに対して、円偏光は電場の方向が時間とともに回転する光の状態を指します。

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