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“スナップショット”解析によって核内構造体が形成されるメカニズムが明らかに

Digital PR Platform / 2024年9月19日 14時0分

研究内容
 本研究グループでは、まず培養細胞をパラホルムアルデヒドで固定し、細胞膜の透過処理を施した後、免疫染色法と同様の方法で目的のタンパク質に対する1次抗体、そしてHRPを付加した2次抗体を反応させます。その後、細胞をビオチンチラミドおよびH2O2と培養することによって、目的タンパク質上に配置されたHRP周辺から半径約20 nmの近傍タンパク質を、細胞を崩すことなくin situでビオチン標識することができます(図2)。細胞を溶解してビオチン化タンパク質を精製し、質量分析計や次世代シーケンサーを用いてハイスループット解析することで、目的タンパク質と結合するゲノムDNA領域やノンコーディングRNAなどを網羅的に同定することが可能です。固定した細胞を用いることから、BioID法やAPEX法などの近傍ビオチン標識法と比べて、本手法では細胞内の分子間相互作用をスナップショットのように捉えること、細胞内の動的な相互作用の変化を解析することが可能となりました。また、特異的な抗体を用いることから、タンパク質の翻訳後修飾に特異的な空間ビオチン標識ができるという点も大きな強みです。われわれは抗体を用いたin situビオチン標識法を用いて、核内構造体である核小体やカハール体、さらに、DNA損傷刺激依存的なヒストンのリン酸化修飾によって形成されるγH2AX foci*7の構成因子の網羅的同定を行いました。





[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1706/95164/450_357_2024091817172266ea8c92a97a7.jpg

図2-1. 抗体を用いたin situビオチン標識法(左図)

in situビオチン標識法の概略図。免疫蛍光染色法と同様に、固定細胞を試料として、抗体を用いて目的のタンパク質近傍にHRPを配置する。HRPの活性により、H2O2存在化でフェノールビオチンがラジカル化され、近傍のタンパク質がビオチン標識される。



[画像3]https://digitalpr.jp/simg/1706/95164/550_272_2024091817173966ea8ca34f479.jpg



図2-2. 抗体を用いたin situビオチン標識法(上図)

核小体のマーカー因子であるFibrillarinの抗体を用いてビオチン標識を実施した結果である。Fibrillarinが局在する核小体が特異的にビオチン標識されていることが確認できる。

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