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米国大統領選挙:投資家への影響

Digital PR Platform / 2024年11月8日 10時0分

したがって、今回の選挙結果は、利回りの上昇、中でも米国債のその他地域対比での相対的な利回り上昇、また通貨市場の米ドル高の継続につながると見ており、直近はすでに市場は織り込みが進んでいます。

通商政策に関しては、中期的には不確実性が高いものの、短期的には世界的な貿易サイクルに対する懸念が、欧州を始めとするその他地域への影響に繋がることが考えられ、通貨市場においてユーロ安ドル高が発生すると予想します。

リサ・ホーンビー:米国債券チームヘッド

今回の選挙結果を受けた最初の市場の反応として、国債利回りは直ちに上昇し、利回りカーブはスティープ化(短期金利と長期金利の差が拡大)しました。米国の景気後退がない限り、米国10年債利回りが、再び3.50%を下回るという可能性は低いと考えます。

同様に、これまで歴史が示しているように、一党が全政権を掌握すると、利回りカーブはスティープ化するのが一般的であり、この傾向は続くと予想されます。クレジット・スプレッドは選挙結果を受けて大幅に縮小しました。これは、市場が企業にとってより好ましい背景(法人税の引き下げや規制緩和の可能性)を十分に織り込もうとしたためです。

今後、トランプ大統領が政権人事を固め始めるにつれて、特定のセクターへの影響がより明確になると予想されます。

他の債券市場への影響はまちまちになると考えられます。エマージング債券市場では、投資適格債とハイ・イールド債のスプレッドは好調に推移しています。米国の成長見通しが高まることは、エマージング諸国の成長にとってプラス要素となります。一方で、エマージング通貨には圧力が掛かると考えます。

トランプ大統領の経済成長促進政策の下で、FRBのニュートラル・レート(中立金利)は上昇しているように見え、短期的には米ドルの上昇が見込めます。とはいえ、財政問題を含む米国の長期的な不均衡は、最終的に、長期において米ドルの重荷になるかも知れません。

選挙は時事的な話題ではあるものの、ポジショニングにとっては主要な要因ではありません。足元、投資家が直面している重要な課題は、リスクとリターンのトレードオフが大きく変化していることといえます。具体的には、投資家が求める、あるいは受け入れるリスク対比のリターンは、過去の標準と比べて急激に低下が見られています。企業のファンダメンタルズは十分に下支えされている(おそらく共和党が政権を奪取すればさらに下支えが予想される)ものの、クレジット・スプレッドは過去のレンジにおける最下位10分の1にあります。これは、リスクとリターンが非対称な状況になっており、価格上昇局面よりも下降局面の確率が非常に高いことを示唆しています。共和党が政権を奪取する可能性があるということは、不確実性の柱が1本増えることを意味するということです。本来であれば、これがクレジット・スプレッドに織り込まれているはずですが、足元では織り込まれておらず割高な水準で推移していると考えます。

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