米国大統領選挙:投資家への影響
Digital PR Platform / 2024年11月8日 10時0分
グローバル株式市場:法人税減税と規制緩和が米国株の下支えとなる可能性
サイモン・ウェバー グローバル株式ヘッド
イールドカーブの上昇が続けば、株価水準に影響を及ぼし始めると考えていますが、小幅な業績成長を背景に米国株式についてはポジティブにみています。
一方で、トランプ氏の勝利が企業の利益率のマイナス要因となるリスクもあります。中国からの輸入品に依存している一部のセクターでは、関税が利益率に逆風となる可能性があるためです。また、移民規制の強化が予想されますが、これは特に消費財や建設部門における賃金上昇につながる可能性があります。
これらはインフレにつながる可能性があり、このような環境下では、需要を減退させることなく価格を引き上げる価格決定力を有する企業が有利となり得ますが、一方で需要が破壊されるというシナリオもあり得ます。
米国企業にとっては、トランプ氏が提案した法人税の減税は追い風となることは明らかです。規制緩和は米国株式にもプラスに働くと考えており、特に大手銀行や、大型ハイテク企業以外の人工知能(AI)等のテクノロジー分野にとってプラスに寄与するとみています。実際に、米国の技術的リーダーシップを維持するための規制緩和によってイノベーションが下支えされる可能性が高いトランプ次期政権下で、構造的な投資テーマはさらに前進する可能性があります。
トランプ政権下における反トラスト法は、ハリス政権と比べ、より自由放任主義的な競争政策に戻る可能性が高いと思われます。例外として考えられるのは、大手テクノロジー企業やソーシャルメディアプラットフォーム企業です。副大統領候補であるJ・D・ヴァンス氏は、一部の企業は分割されるべきであり、他の大手テクノロジープラットフォームは明らかにリベラル・バイアスがあると考えており、これに対処する必要があると明言しています。
トランプ大統領の関税に関するスタンスは深刻ですが、交渉戦術でもあります。関税の実際の実施については慎重に見極める必要があります。すべての輸入品、あるいはすべての中国からの輸入品に大規模な一律関税が適用されれば、インフレ率はほぼ間違いなく上昇し、個人消費は影響を受けるでしょう。
エネルギーおよび気候政策は、両候補の間で最も明暗が分かれた問題のひとつです。トランプ大統領の下で、米国が気候変動に対する世界的な取り組みから外れることは間違いないとみています。主要な気候変動テクノロジーをめぐる米国のバリューチェーンへの企業投資は後退する可能性が高く、エネルギー転換が引き続き加速する世界の他の地域に焦点が向けられるでしょう。
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