是枝裕和監督の技法を参考に作り上げ、こだわり抜いた24年ぶりの再会シーン 「パスト ライブス 再会」特別映像独占入手
映画.com / 2024年3月27日 9時0分
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第96回アカデミー賞の作品賞と脚本賞にノミネートされた「パスト ライブス 再会」から、幼なじみの24年ぶりの再会シーンをとらえた特別映像を、映画.comが独占入手。また同シーンは、是枝裕和監督作品を参考にしていることが明らかになった。
本作は、ソウルで初恋に落ちた幼なじみのノラ(グレタ・リー)とヘソン(ユ・テオ)が、24年後に36歳となり、ニューヨークで再会する7日間を描くラブストーリー。久しぶりに顔を合わせたふたりは、ニューヨークの街を歩きながら、互いの人生について語り合い、自らが「選ばなかった道」に思いを馳せる。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」のA24と、「パラサイト 半地下の家族」の韓国・CJ ENMが初の共同製作を担当。セリーヌ・ソン監督が、長編映画監督デビューを飾った。
特別映像では、ノラが物語の重要なキーワードである「イニョン(運命)」について語るナレーションとともに、ソウルでふたりが別れる場面が映され、それから24年後、ニューヨークで運命的な再会を果たすシーンへと切り替わる。すれ違いを重ねた再会に、落ち着かない様子のヘソン。そんなヘソンを見つめながらゆっくりと歩き、ハグをするノラ。同シーンは、繊細で、非常にロマンティックな仕上がりとなっている。
ソン監督は、「ノラに会いに来たヘソンは、初めてのニューヨークで心細さを感じている。その不安とワクワクが同時に襲ってきていて、何を期待していいのか分からない子どものよう。髪を触るなどの仕草がその心情を表している。ノラが目の前に現れ、まるで霊を見ているような感覚に陥る。ずっと楽しみにしていたが、それが現実となり少し恐怖も感じている」と、ヘソンの心境を語る。この場面では、互いが子どもの頃を思い返していて、ノラからヘソンにハグをすることで、ふたりの間にある壁がなくなっていくことが表現されている。「セリフも最小限のシーンであったため、再会の瞬間の、この感情をどう表すかが全てだった」とソン監督が振り返るように、期待と不安が入り混じるふたりの表情を、グレタ・リーとユ・テオが見事に表現している点も見どころだ。
ソン監督は、「へソンだけを映している時、観客はヘソンの嬉しそうな表情を見て心がほころぶ。でも次第にノラの表情も見たくなる。するとカメラがゆっくりとスウィングしてノラを映す。ノラの姿を見られて、この瞬間を彼女とともに体験できて、観客は嬉しくなる。でもしばらくすると、ヘソンのことが再び気になるし恋しくなり、カメラはヘソンにスウィングする」と、ノラとヘソンの感覚を、観客にも体感させる狙いがあったと解説する。
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