今年の大阪アジアン映画祭を振り返る エドワード・ヤン“映画界入り初仕事作品”の貴重な裏話も【アジア映画コラム】
映画.com / 2024年4月21日 15時0分
「『1905年の冬』について感慨深いのは、本作が台湾ニューシネマの起源となる作品であり、しかも日本で撮影され、日本の物語という点で、これがより意義深いと思います。日本人のスタッフも多く『1905年の冬』の撮影に参加しました。今回の上映で、監督と事前に相談したら、80年代はメールやSNSなどはないので、日本人のスタッフとは誰とも連絡が取れていない状態でした。こちらとしては、上映だけでは少々寂しいので、人探しも始めましたね。色んな人脈を使って、やっと今回の上映イベントを実現することができました」
「1905年の冬」は3月2日、シネ・リーブル梅田で日本初上映されました。トークイベントには監督のユー・ウェイチェン、評論家で映画監督でもあるラウ・シンホンが登壇しました。2人は撮影当時の秘話を披露しながら、撮影から40年以上が経ったにも関わらず、日本で上映できたことに“非常に感無量だ”と語っていました。また上映時には、本作に携わった俳優やスタッフも観客と一緒に作品を見ていました。これは歴史的瞬間と言ってもいいと思います。
上映終了は、23時過ぎ。観客の方々は帰ろうとはせず、ロビーで足を止め、監督たちと「1905年の冬」やエドワード・ヤンのことなどを楽しく話していましたね。本当に素敵な時間でした。
そして今回は、ユー・ウェイチェン監督にインタビューを依頼したところ、短い滞在時間にも関わらず快諾していただきました。貴重なお話をたくさん聞きましたので、是非ご一読ください。
――「1905年の冬」の企画経緯を教えていただけますか?
当時私は香港で仕事していました。香港ニューウェーブはちょうど1970年代後半から始まりました。私も台湾に戻って、映画を撮りたいと思ったんです。そこでエドワード・ヤンに連絡しました。彼はもともと映画好きだったので、私の話を聞いて、台湾に戻りました。
――なぜ実在の人物・李叔同(日露戦争の時代、西洋絵画と音楽を学ぶために日本を訪れ、帰国後、中国の美術界に影響を与えた若き知識人)の話を映画化したいと思ったのでしょうか?
これは本当に偶然でして、伝記本を読んで、非常に興味が湧いたんです。特に日本で愛人を作り、中国に連れて帰る。その後に出家して、愛人を日本に帰らせるという怒涛の展開が、なかなか凄かった(笑)。他人が書いた伝記モノなので、本当かどうかは正直なところわかりませんが、当時はすぐに映画化したいと思いましたね。
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