今年の大阪アジアン映画祭を振り返る エドワード・ヤン“映画界入り初仕事作品”の貴重な裏話も【アジア映画コラム】
映画.com / 2024年4月21日 15時0分
――「1905年の冬」は、当時フランスの映画祭でも上映されたようですね。
当時、キン・フー監督の作品を欧米に紹介したカンヌ国際映画祭のプログラマーと仲が良かったんです。私がフランスに行った時は、常に彼の家に泊まっているほど。彼に「1905年の冬」の話をした時は後「カンヌ国際映画祭に紹介したい」と言われましたが、結局製作が間に合わず、最終的にはドーヴィルの映画祭で上映されました。その後、カイエ・デュ・シネマの特集でも紹介されましたね。反対に、当時の台湾では本作の上映が禁止されていました。それについては、とても残念でした。香港ではプレミアを行って、ツイ・ハークを含む香港の映画人たちがたくさん見に来ました。
――トークイベントで「映画は愛人でアニメは妻。日常生活には妻が必要です」と語っていました。その後、監督はアニメーションの世界に行きましたよね。一方、エドワード・ヤンは台湾ニューシネマの旗手となり、いまでも世界中に多くの映画ファンに愛されています。改めて、エドワード・ヤンと一緒に「1905年の冬」を作れたことについて、どのように感じていらっしゃいますか?
エドワード・ヤンがこの映画に参加したあと、私は彼を映画界の色々な人に紹介しました。最初の頃、台湾でシルビア・チャンのプロデュース作品であり、テレビドラマシリーズ「十一個女人」の1話「浮萍」を監督しています。それがおそらく台湾ニューウェーブの始まりだと思います。その後、私はアニメ制作に没頭し、映画製作にはあまり関わっていなかったのですが、「1905年の冬」でエドワード・ヤン、そして私の弟・ユー・ウェイエンと一緒に映画を作ったことは、大きな財産だとずっと思っています。
(徐昊辰)
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