1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

オノ セイゲンPresents<映画の聴き方> Vol3. 加藤和彦さんの話 「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」相原裕美監督と対談

映画.com / 2024年6月8日 8時0分

 「ちょっとあそこに連れてってください」って、いいお店をおねだりしたかったな。(そうしたら)うるさい後輩だなあ(笑)なんて思って、うつの解消、ちょっと気晴らしになれたかもしれない。

 プリンスホテルで開催された「加藤さんを送る会」では、ホテルの総料理長も理解してくれて、生前の加藤さんが愛した岐阜や関西の料理人も集まったんですよね。ホテルの厨房に料理人が10数人入るっていうことが異例中の異例。食べ物と音楽こそが地球をハッピーにするっていう考えは僕も持っています。

――今日は加藤和彦さんのマネージャーだった内田宣政さんも来てくださっています。

内田さん:加藤さんは料理も音楽も同じレベルで考えていましたね。河口湖のスタジオで合宿レコーディングがあった日に、加藤さんが自分で料理を作ると言って、コックコートを着て朝からシーフードカレーと、マトンのカレーなどいろいろと仕込んでいましたね。喜んでもらうことが好きな人でした。

 安井かずみさんはフランスが大好きで、朝食はカフェオレとクロワッサンなんだけど。加藤さんはイギリスびいきだったから本当は紅茶が好きだったようで。でも安井さんと一緒に暮らしている時は全部カフェオレにしていたっていう。そういう優しさもあるって聞きました。

 カップ焼きそばなんかを食べるときも、オイスターソースだったかナンプラーだったかな? 味変して美味しくするんですね。そういうところから、クリエイティブでしたね。

――この映画では多くの方々が加藤さんの思い出を語っています。監督が受け取った加藤さんの才能はどのようなものだと感じましたか?

相原:カップ麺の話にしてもナンプラーとか入れちゃう革新性。それは音楽でも一緒だと思うんです。既存のものに何かを足してみたり、新しいことをやってどんどん脱皮して、さらに新しいものを作り出す力ですね。日本で初めてレゲエのレコードをいっぱい買った人だったり、日本でボサノバをちゃんとやろうと試みたアルバム「ガーディニア」の時には、坂本龍一さんに、参考になるような大量のレコードを渡してアレンジを頼んで。坂本さんも中南米音楽のリズムは、加藤さんに結構教わったと言っていましたね。

――相原監督はこの映画製作でご苦労はありましたか?

相原:なかなかアーカイブが揃わなかったのが大変でしたね。

オノ:この映画が完成した後に「黒船」のアナログ・マスターテープが見つかったりね(笑)。アナログテープはやっぱり音色が素晴らしいです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください