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オノ セイゲンPresents<映画の聴き方> Vol3. 加藤和彦さんの話 「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」相原裕美監督と対談

映画.com / 2024年6月8日 8時0分

相原:映画はそれぞれの曲のイントロぐらいしか使っていませんから。この映画は、簡単に言うと加藤和彦の入門編ですね。

オノ:そうなんだよ。映画を見て気になった方は、2CD作品集「The Works Of TONOBAN ~加藤和彦作品集~」をいいオーディオ・システムで聴いてみてください。

相原:今、復刻している本を読んでもらったり、トリビュートライブなどに触れていただいて加藤さんの再評価に繋がればいいなと僕は思ってます。

▼音の良さにこだわり、音の良い映画館に期待

――加藤さんの音楽を忠実に再現したい思いもあり、今回のマスタリングはセイゲンさんに依頼されたのですか?

相原:こだわらないとこんな気難しいおっさんに頼みませんよ(笑)。セイゲンさんは加藤さんとお付き合いがあったし、完成された音をどうやって良くするか……って考えると、セイゲンさんは日本で一番だと思うんです。

オノ:それはありがとう(笑)。アナログテープからのアーカイブは僕が最後の世代です。今の人はデジタルでないと難しいみたい。

相原:僕も2年間ぐらいスタジオでエンジニアをやっていたので、どういう音が良いのか、誰にお願いするべきかはわかるんです。だから今回は、あのセリフの(音の)処理を逆にセイゲンさんからやらされたんです。僕が監督なのに(笑)。

オノ:そうそう、相原監督は伝統のJVC青山スタジオ(現ビクタースタジオ)の録音エンジニア出身ですからね! いい音のこだわりはプライオリティです。逆にセリフの編集は僕には難しい。キングクリムゾンの「Live in Japanの」ミキシングをしていたときアシスタントしてくれたよね。

 ビル・ブラッフォードはブースでずーっと練習してて、ロバート・フリップはずーっとミキシングを細かく聞いてて、エイドリアン・ブリューとトニー・レヴィンはなんだったっけ? そんな僕が忘れてたその時の201スタの様子を細かく覚えていて、ああ、そうだった! と思い出した。ドキュメンタリー監督の素養。今日は対談でいろいろ記憶と記録の照合ができたね。

――最近は、音にこだわる映画館が増えてきました。

相原:いい傾向だと思います。ドルビーアトモスなど、コントロールはされていますが、ひとつ問題は、スピーカーの音質まではやれていないこと。レベルは合わせているけど、もともとのスピーカーの音質が良くないと、レベルを合わせてもダメなんです。そこまでできれば一番いいですよね。

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