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ジョン・クラシンスキー監督がコロナ禍で愛娘たちに伝えたかったこと ケイリー・フレミングと“空想の世界”の舞台裏を語る

映画.com / 2024年6月8日 13時0分

――さておき……、イマジナリー・フレンドを映画にするアイデアは、あなたの個人的な体験がきっかけですか?

ジョン:アイデア自体は、幼い娘たちを見て10年ほど前に思いついたものだ。彼女たちが空想の世界で楽しそうに遊んでいるのを見ては、いつも“いいなぁ、楽しそうで。どんな世界に行っているんだろう? その世界に僕も入っていけたら”って、羨ましくて仕方なかったんだ。

その後、新型コロナウィルスの感染拡大で世界中がパンデミックに突入したわけだけれど、娘たちもコロナ禍で幼いながらも不安や恐怖を抱えていたんだろうね。想像力を思いきり羽ばたかせて空想ごっこに耽る姿を目にすることが、以前より少なくなっていたんだよ。

それに気づいて“これはいけない!”って思ったんだ。人生楽しいことだけじゃなく、辛いことや悲しいこともたくさんあるし、これから困難にぶち当たることも多々あるだろう。だけど、子どもの頃に戻ろうと思えば、いつだって戻れるんだよ、って娘たちに教えなきゃいけないと思った。この映画は、彼女たちにそういったことを伝えたいがためだけに作ったと言っても過言じゃない。そこで、コロナ禍に本作の脚本を書き始めたわけ。

――本作にはイマジナリー・フレンドが見える唯一の大人として、ビーの隣人カル(ライアン・レイノルズ)も登場しますね。

ジョン:大人に彼らが見えるという設定に関しては、脚本執筆に向けたリサーチの過程で得たアイデアだ。児童心理学など調べていくうちに、子どもたちは自分に欠けているものを補うべく、自分にとって必要な存在をイマジナリー・フレンドとして生み出すというのが基本概念だということがわかった。つまりは深層心理というか、心の奥にある願望が形になったものが、イマジナリー・フレンドだね。

例えば、学校でいじめられている子は、いじめっ子から守ってくれたり、いじめられて悲しい時にハグしてくれる、大きくてガタイのいいイマジナリー・フレンドを創造することが多い、とか。そういった興味深い事実を学ぶなかで“それって、子どもに限ったことじゃないよね? 大人も誰しもが、その時の自分に必要な存在といったものを求めているだろうし、それをイマジナリー・フレンドとして具現化したとしても、おかしくないんじゃないか”って思い始めたんだ。

さらに、リサーチをしているとき、サー・ケン・ロビンソンがゲストの回の「TEDトーク」を見たんだ(イギリスの教育家の大家。TEDのプレゼンは億単位の視聴回数を誇る)。そこで彼は“人間は皆、無限の想像力・創造力を持って生まれてくるが、残念なことに大人になるにつれ、その天賦の能力が失われていく。だがそれは、歳をとるに従い自然と失われていくのではなく、個人が生きていくなかで、大人になろうと決断し、自ら大人になる選択を下すことで失われるものなのだ”という話をしていて、考えさせられちゃったんだよね。

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