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ジョン・クラシンスキー監督がコロナ禍で愛娘たちに伝えたかったこと ケイリー・フレミングと“空想の世界”の舞台裏を語る

映画.com / 2024年6月8日 13時0分

特に、ケイリーとの共演シーンは本当に素晴らしいのひと言。これまで僕が一番好きなスクリーン上でのコンビはブッチ(・キャシディ)&サンダンス(・キッド)だったけど、今ではライアン&ケイシーがダントツのお気に入りってくらい、最強のコンビだと思うよ。

――脚本執筆にあたって、一番難しかったことは?

ジョン:ペンやPCで書き始める前にまず、頭の中で脚本を書き進めつつ、監督目線で演出も同時につけていく、というのが僕のいつものやり方。そのプロセスを毎日毎日繰り返して、徐々に仕上げていくわけだけど、今回はアイデアを思いついてから頭の中で脚本を書き上げるまでに、おそらく1年ちょっとかかったんじゃないかな。

頭の中で映画の全編が見えた時点で、一気に書き上げるから、実際の執筆作業は12日くらい。ただその過程で、重要な選択や決断を迫られることが何度かあって、そこが一番苦しかったかな。最高にハッピーになれる映画であると同時に、辛く厳しい現実や事実に根付いているという部分もあるから、そこをきちんと描かなきゃいけない。

イマジナリー・フレンドは、単に愛くるしい空想上の存在ってだけじゃなく、子どもにとって、そして時には大人にとっても、辛い現実と向き合うための対処法でもある。そういった事実を真摯に受け止め、そこにある感情も含めてきちんと描き切らなきゃいけない。“人生楽しいことばかりじゃなく、辛くて悲しいこともたくさんあるけど、きっと乗り越えられるから大丈夫”というこの映画のメッセージを伝えるためにもね。

――ケイリーのキャスティングのプロセスは?

ジョン:実はライアンと僕とでオーディションを行ったんだ。ケイリーは確か初日の2番手か3番手。ケイリーが部屋に入ってきて15秒で、まだ演技も何も見ていないのに“この子だ!”って直感したよ。

とりあえず1シーンの半分ほどを演じてもらったんだけど、彼女が部屋を出ていくなり、ライアンが僕に“あの~……オーディション続ける必要あるかな?”って聞いてきた(笑)。で、僕は“一応、体裁としてもう何人かに会った方がいいとは思うけど、僕的にはもう決まったから、オーディション終了ってとこだね”って、2人で顔を見合わせて合意したのを覚えているよ。

半シーンを演じてもらった時、僕が相手役を務めたんだけど、ケイリーは当然、映画のストーリーも知らなければ、それがどういうシーンなのかも分かっていない。にもかかわらず、ビックリするほど感情の込もった演技を見せてくれた。どれだけ工夫を凝らして入念に脚本を練り上げようとも、それを完璧に体現してくれる俳優がいなければはじまらない。だから全てはケイリーのおかげだと感謝しているんだ。

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