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「ぼくのお日さま」奥山大史監督×池松壮亮×越山敬達×中西希亜良がカンヌで語った、忘れ得ぬ体験【オフショット多数】

映画.com / 2024年7月22日 12時0分

――スケートのシーンはとくに照明も独特で、一層寓話的な雰囲気が醸し出されていましたね。わたしは勝手にハーモニー・コリンの「ジュリアン」(1999)のスケートのシーンを思い出してしまいました。

 奥山「その映画は観ていないのですが、いろいろな監督からそれぞれの側面で影響を受けていて、そういうものを組み合わせている感覚があります。たとえば『リトル・ダンサー』(2000)で、ビリー・エリオットが思わず踊ってしまうクリスマス・イヴのシーンには、照明にかなり影響を受けています。スケートリンクに差し込む光や、北海道の景色をどう切り取るかといったところで、ちょっと寓話っぽくしたいという思いがありました

 撮影に関して言うと、ロイ・アンダーソン監督が大好きで、ああいう映画の組み立て方がしたいと思っています。絵本をめくっているような、美術館を歩いているような映像の積み上げ方というか。あるいはジャック・タチとか。ああいうカットの積み重ねこそ映画だし、映画にしかできないと思います」

――最後に、カンヌに来て感慨を受けられたことをそれぞれ伺えますか。

 奥山「公式上映で、尊敬して背中を追いかけてきたさまざまな映画人の方々が観に来て下さったのは、本当に光栄でした。是枝監督や西川美和監督がいらして、ある視点部門審査員長のグザヴィエ・ドランやルーカス・ドン監督(クイアー・パルム審査員長)にも観て頂けたのはとても嬉しかったです。映画祭ランチにも参加させて頂きましたが、あらゆる映画人と話ができて、すごくいい思い出になりました。フランソワ・オゾン監督がいて、以前池松さんと日本で対談されたことを覚えていらしたうえに、『ぼくのお日さま』について『好評だね。知人にぜひ観ろと言われているよ』と言ってくれたこともぐっときました」

 池松「嬉しかったですね」

 越山「僕は感動しいなので公式上映が終わったときに泣いてしまったんですが(笑)、初めてのカンヌですごく温かい反応で、こんな素晴らしい場所でこの映画の伝えたいことが伝わったのは本当に嬉しいですし、まだ夢を見ている心地です」

 中西「わたしも初めての映画出演でカンヌのような素晴らしい映画祭に来ることができたのが嬉しくて、監督とスタッフの方への感謝の気持ちで一杯です。昨日も今日も、街を歩いているときに『すごく良かったよ』と話しかけてくれる人がたくさんいて、こんなに多くの方に観て頂いたんだと感激しました。ドビュッシーという劇場で、(映画に使用されているドビュッシーの)『月の光』が流れていることにも感動して言葉が出ないというか。終わってからあれほど多くの方が会場にいることに気づいて驚きましたし、延々と拍手が続いて、本当に夢みたいな体験でした」

 池松「僕も初めてのカンヌ参加で、あれだけの反応を頂けたことに驚きつつ、本当に幸せに思っています。この場所で、この映画にとって最高のスタートを切らせて頂いたと思います。奥山さんにとって商業デビュー作品でこのような経験を得られた、というのは素晴らしいことでしたし、僕自身もこの場所で映画についてまた様々な思いを巡らせ、たくさんの刺激を受け取っています」

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