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広島で世界のアニメーションを楽しもう! 「ひろしまアニメーションシーズン2024」8月14日開催、見どころは?

映画.com / 2024年8月11日 7時0分

山村:僕の中ではその4つに純粋なグラデーションがあり、「社会への眼差し」から「寓話の現在」「虚構世界」「光の詩」へと、抽象性が高くなって、現実とのインデックスがだんだん減っていきます。「社会への眼差し」はアニメーションドキュメンタリーを含む、現実との関係性が分かりやすい作品、何か現実との接点が見える作品群です。「寓話の現在」は少し現実も絡みながら、メタファーを通して現実世界を描くようなもの、「虚構世界」は作者の想像によるフィクションの世界、そして、より具象性もなくなってくる「光の詩」という流れです。

 もちろんこれは、暫定的なもので、人によって認識も変わると思います。未知の短編作品を鑑賞する上で、こういったカテゴリ分けが観客の理解の少しのきっかけになってくれればいいなと思います。

――環太平洋アジアユースコンペティションは、アジアの若い才能が結集しました。

山村:僕が選考で約2600本を見ていく中で、アジアの作品が全体に強いことを実感していて、それがこのコンペティションに反映されています。特に印象に残ったのは、中国、韓国作品ですね。

土居:ミャンマーの作品もありますね。これは社会の苦境に置かれている人たちの話。日本だと娯楽性が前面に来るものが多いですが、地域によって、アニメーションの役割は全く違ったりもします。そういった、聞こえてなかった声がひろしまアニメーションシーズンで聞こえてくると思います。

山村:また、このコンペの他に、中国美術学院、台北芸術大学の特集があります。台湾もユニークな作品が多く、中国、韓国とはまた違う感性で、ホラーのような作品、カテゴリに分けようのない不思議な作品があって、アジアの中でも独自性を発揮しています。

土居:もちろんそれぞれの国の歴史的なものを背負ってはいますが、映画祭は政治的な軋轢を超えて、アニメーション作家が人間として交流する場ですから、その狙いも感じ取ってもらえると思います。

山村:対面での交流の大切さ、そこで共有できる価値観を見つけて、創作の大きな未来を見てもらえたら、最高です。もちろんそんなに大きなコミュニティではないですが、アニメーションシーズンもそういうところは担っていきたいと思いますね。

――日本依頼作品コンペティションでは、テレビ放映された作品などが集まっています。

山村:一般的に映画祭のコンペでは、純粋に作品として作られたものが優先されがちになります。しかし、商業的な場所で作られた作品は、それぞれの作家の持ち味が発揮されているので、今、どんな日本の作家がいて、日本のどういうメディアの中でアニメーションが作られているのかをパノラマとして見てもらえます。

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