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菅田将暉が発した“観客の目を引く曖昧さ” 黒沢清監督と初タッグ、改めて芽生えた映画への愛

映画.com / 2024年9月28日 11時0分

 吉井に関しては、少し不遜で、ほんの少しリスペクトが足りないイメージ。そのチューニングをやりすぎない程度に行っていました。自分はもっとこういう生活を送りたい、そんな中でも転売の仕事が少し上手くいき始めたので、そっちの方に脳みそが引っ張られながら喋っているような感じと言えばいいんでしょうか。

 吉井は、ある意味“真面目”なんだと思うんです。スパッと悪態をつくことができない人物。それが出来ないからこそ、より強い恨みをかってしまう。もしすんなりと悪態をつけるような人間だったら、“あんな事”にはなっていないと思います。

●「Cloud クラウド」で“怖かった”ところは?「良々さんが家にやってきて……」

――ちなみに、菅田さんが「Cloud クラウド」で“怖かった”ところは何処になるんでしょうか?

 良々さんが家を訪ねてくるシーンがあるのですが、あそこはコワおもしろかったです。いや、やっぱり怖いかな……。インターホンを鳴らすという展開があるんですが、良々さん、1回多く鳴らしているんです。

黒沢監督 急に押してましたね(笑)。

菅田 台本にも段取りにもなかった部分で…あれがあったからこそ“怖かった”となっているのかもしれません。シーン自体も、良々さんが騒ぐわけでもなく、じっとこちらを窺っている。「お前はどうするんだ?」と球を預けられているような感じがして、とても怖かったです。

●吉岡睦雄を存分に語る「俺の知ってる人間の形をしていない」「“崖っぷちにいる人”を演じると◎」

――荒川さんを含む“集団狂気メンバー”(窪田正孝、岡山天音、赤堀雅秋、吉岡睦雄、三河悠冴)とのやり取りは見応えたっぷりで、非常に楽しかったです。メンバーの皆さん、ものすごく“濃い”と言いますか……個性があまりにも強すぎて、まったく交じり合わない感じも見どころかなと思いました。

菅田 あそこまでいくと怖すぎるんです(笑)。その頃には(=“集団狂気メンバー”との撮影)、一観客目線で作品を見ていたような気がしています。吉岡さんのことについて話してもいいですか?

――是非!

菅田 吉岡さんは……なんて言えばいいんだろう……俺の知ってる人間の形をしていないというか。

――(笑)。

菅田 何かが多いのか、何かが欠けているのか……痛点がないからひたすら向かってくる虫のような怖さを秘めている(笑)。「すぐ終わりますから!」と甲高い声で喋る感じがやっぱり絶妙に面白いし、怖かった。しかも最後にはめちゃくちゃ“泣く”って……この情けなさが凄まじかったんです。

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