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山田裕貴、話題作「ジョーカー2」日本語吹替で重視した「わからなさ」を語る

映画.com / 2024年10月10日 18時0分

 山田:すごくコアな部分ですけど、いいですか?

――もちろんです、まさにそこの言語化を聞いてみたいです。

 山田:ホアキンさんは目のカットだけで、なにか感じさせるものがあると思っていて。あれって、本気で、ここから(胸をドンと叩いて)思ってないと、ああいう目にならないんですよね、きっと。

 そして「ジョーカー」のなかでの笑い――呼吸が難しい、けど笑ってしまうような――も本物に見えますよね。あれを「やろう」と思ってもなかなかできるものではなくて、普通はやりすぎちゃってお芝居臭く見えたりしてしまうものだと思うんです。 そこを本当に「絶妙にリアルな位置」に落とし込んでいるのがすごくて。(カメラの前の演技力だけではなく)微細な人間観察力がないとできないなと。僕がホアキンさんについて語るのもおこがましいですが、そういった能力が本当に長けているんだと思います。

 あとは、もう普通に「生きているだけ」だと思うんですよね。あの現場で台本を読んで、普通に生きているだけ、みたいな感じがします。生きているだけなのに(あそこまでの芝居を)できているのが本当にすごいです。

――撮影現場のその瞬間だけではなく、撮影前からの観察力。演じるうえで「役作り」は基本的な部分だと思いますが、その基本的な部分が「達人級」に極限まで高まっていることが真骨頂だということですね。最後に、「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」で山田さんが刺さったポイントを教えてください。

 山田:このジョーカーは特別だなと感じます。今回も前作も、セリフとして「誰も見てないじゃないか、僕のこと」というジョーカーのセリフがあります。そこが肝だと思うんです。外見やイメージだけで「あの人こうだよね」と判断しがちな世の中で(民衆からの注目を集めるジョーカーが「誰も僕を見ていない」と言うことに)僕はそのセリフが強く刺さりました。

――貴重なお話をありがとうございました!

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