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安藤チェアマンが総括する第37回東京国際映画祭

映画.com / 2024年11月12日 11時0分

――地域の協力は、年間を通しての活動が実を結んだのではないかと思いますが。

 安藤:そうだと思います。残る課題は、10月末から11月の初めの映画祭終了後、その熱を次の開催までどうつなげていくかです。エクスペクテーションをどう継続させていくか、ワッと盛り上がってパッと終わるのではなく、次のサイクルに向けての盛り上がりを工夫しなければいけない。ただそうすると我々の仕事は増えるわけですが(笑)。

――今年、東京都と連携し、女性監督の作品や女性の活躍をテーマとする作品に焦点をあてた「ウィメンズ・エンパワーメント部門」が新設されました。上映もですが、かつて行われていた「東京国際女性映画祭(カネボウ国際女性映画週間)」および同映画祭のジェネラルプロデューサーを務めた故・高野悦子さんの検証や、日本の女性監督がたどった軌跡を世代ごとのパネルで明らかにしたシンポジウムも盛況でした。

 安藤:クリスチャン・ハキムさんが語る高野さんの仕事も圧巻でした。シンポジウムを、全世代を網羅する形で行えたのも重要だと思います。思い出話に終始することなく、次の世代にどう受け継いでいくかという議論につながった。女性に限らず、全てに言えることだと思いますが、継続性こそ大切な要素だと思います。

 今年、ウィメンズ・エンパワーメント部門を新設できたのは、東京都の副知事・松本明子さんが乗ってくれたおかげ。松本さんが当映画祭の担当部長だった頃からお話をしてきたものです。カネボウがやっていた頃のような規模でとはいきませんが、少しずつ前進できるといいなと思っています。

――このカテゴリーができたために、もちろん作品のクオリティは高いのですが、映画祭での上映から漏れてしまいがちなテーマの作品を紹介することができた。そこがとてもいいと思いました。

 安藤:セレクションは初代駐日マケドニア大使で、当部門シニア・プログラマーのアンドリヤナ・ツヴェトコビッチさんですが、シンポジウムの企画は近藤香南子さん。情熱を持ってこのプロジェクトを進めてくれたことが奏功したと思います。事務的にはできない熱量の仕事でした。

――映画を伝えるという意味では、「TIFF映画教育国際シンポジウム2024《世界のこどもたちが映画を待っている》~社会課題と向き合う映画教育~」や、「TIFFティーンズ映画教室2024」も、重要な企画でした。

 安藤:TIFFティーンズ映画教室には、岸田元総理が視察に来てくれました。それを一般紙が取材したことで、世に知らしめることもできたのかなと思っています。ここにも「こども映画教室」を20年続けて来られた土肥悦子さんの尽力があるわけです。思い入れを持って取り組んでくださるから、うまくいく。ケリングのイベント「ウーマン・イン・モーション」を手掛けた産形利恵さん、立田敦子さんも同様だと思っています。

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