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人間が仮想世界に没入する理由は――サバイバルゲームに潜入し全編撮影したドキュメント「ニッツ・アイランド 非人間のレポート」監督インタビュー

映画.com / 2024年11月30日 8時0分

人間が仮想世界に没入する理由は――サバイバルゲームに潜入し全編撮影したドキュメント「ニッツ・アイランド 非人間のレポート」監督インタビュー

 オンラインゲームの仮想世界に潜入してプレイヤーたちにインタビューを実施し、ほぼ全編をバーチャル空間で撮影したフランス発のドキュメンタリー「ニッツ・アイランド 非人間のレポート」が公開された。監督は、同じフランスのモンペリエ美術学校で学んだエキエム・バルビエ、ギレム・コース、カンタン・レルグアルク。3人が本作を語るインタビューを映画.comが入手した。

 オンラインに存在する島を舞台に繰り広げられるサバイバルゲーム「DayZ」に潜入した3人のフランス人映画クルー。襲い来るプレイヤーやゾンビたちを殺さなければ生き残ることができないカオスな世界で、自らもサバイバルしながら963時間を過ごし、遭遇したプレイヤーたちにインタビューを重ねていく。そこには暴虐の限りを尽くす集団や、誰も殺さないことを信条とするグループ、牧師を名乗って他のプレイヤーに信仰を説く人物、静かで落ち着いた環境を求めて1万時間もゲーム内で過ごしている者など、さまざまな人たちがいた。映画クルーはオフラインにいる生身の人間の存在を感じながら、人間の二面性に直面していく。やがて彼らは、現実と仮想世界の境界を探索する旅に出る。

───本作のアイデアはどこから生まれたのですか?

ギレム・コース(以下:ギレム):エコール・デ・ボザール在学中にリサーチを始めました。当初の目的は、ただ実験してみようということで、ドキュメンタリーや映画を作るつもりは全くありませんでした。あるゲームで何が起こっているのか、プレイはせずに観察してみようと思っていたんです。当時はオンライン・ゲームの世界がどのようなものかよくわかりませんでしたが、ある時、ゲームのツールを一切使わずに、ただぶらぶらしているプレイヤーに出くわしたんです。ゲームの中で立ち止まり、ただ景色を眺め、周囲を見渡し、仮想世界の中で人々と腰を下ろし、一時停止し、関係ないことを話し、実際にはプレイしない。それが可能だとわかった時、私たちは「ここを舞台にドキュメンタリーを作れるかもしれない」と気づきました。それが始まりだったと思います。

エキエム・バルビエ(以下:エキエム):バーチャルな世界で、現実の人々との出会いが可能であること、そして自分たちでその出会いを誘発できるかどうかを試してみたかったのです。これは僕たちの初監督作品“Marlowe Drive”の基本となるアイデアでしたが、本作の出発点でもありました。

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