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人間が仮想世界に没入する理由は――サバイバルゲームに潜入し全編撮影したドキュメント「ニッツ・アイランド 非人間のレポート」監督インタビュー

映画.com / 2024年11月30日 8時0分

ギレム:すでに何年も(中には5年も)、共にプレイしているグループにも会いました。彼らのほとんどはロールプレイに熱中するハードコアなゲーマーで、互いに挑戦し合い、没頭し、多大な時間をゲームに費やしていました。すでに2万時間近くプレイしている人にも会いました。それだけ長くプレイしていると、最終的に人と会話するためだけにゲームに入り、他人に言えない自分の話を暴露したり、その日一日何をしていたかを人に尋ねたりしてしまうんですよ。

───このような環境で、プレイヤーと親しくなるのは難しいと思います。身分証を提示しなければならないこともありましたよね。親密さという点ではどうでしたか?

ギレム:実際、時間が必要でした。でもある時点からは、プレイヤーたちが僕らのことを知っていました。僕たちは十分に探索し、十分に遊んだ。そして十分に死に、奮闘し、プレイヤーに認められ、プレイヤーは僕たちをドキュメンタリー作家として敬意を払ってくれました。いわばパスを手に入れたんです。このパスがあれば、もう殺されることはありませんでした。あるグループから別のグループへと移動するのは、実際楽になりました。時には非常に暴力的な人々に会うこともありましたが。でも、僕らは守られていました。

エキエム:当初はあまり知らなかった言語もあります。ビデオゲームの世界の言語です。この専門用語を理解するのに時間がかかりました。

ギレム:プレイヤーたちは、僕たちが遊びでそこにいるのではないとわかってくれました。僕たちが毎日そこにいて、3時間も歩いて彼らに会いに来ていることを。それが〈現実〉なんだとわかってくれました。撮影のこの現実的な側面は、〈DayZ〉でのプレイヤーと僕たちの関係を超えるものでした。

───本作の原題“Knit’s Island”はどのように決めたのですか?

エキエム:前作“Marlowe Drive”を作ったとき、僕たちはある場所、ある地域の名前をタイトルに選びました。この場所に名前を付け、存在を与えようとするのは面白いことだと思ったんです。“ニット(Knit)”は僕らが考案したキャラクターで、探検家です。僕らはこのアイデアを常に心に留めておきました。ゴーストアイランドについても聞いたことがあり、実際には、グーグルマップ上で見つけた実在しない島のことで、いわゆる“バグ”ですが、ビデオゲームの世界を思い出させました。僕たちにとって、バーチャルな場所は未踏の世界なのです。

ギレム:”Knit(ニッツ)”には、ある意味、何の意味もありません。僕たちは皆、仮想世界を正確に定義するのに苦心しています。“ニッツ・アイランド”は何かの島です、何の島かはわかりませんが。僕たちがこのタイトルを気に入ったのはそこなんです。

 映画はシアター・イメージフォーラムほかで公開中。

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