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【上質映画館 諸国漫遊記】名古屋で<高品位>に映画を鑑賞するなら絶対のおすすめ ミッドランドスクエア シネマ/粋 Siko至高スクリーン

映画.com / 2025年2月9日 15時0分

 スクリーン8に導入された<Kodo 鼓動>システムの「4ウェイカスタムスピーカー」についても簡単に触れよう。こちらは、低音を緻密かつ迫力ある再生を意識して作られたといい、音楽ライヴ作品の上映での身体で感じるような低音の再現も目指しているのだそう。7月の設備改修直後に鑑賞した「キングダム 大将軍の帰還」では、確かにその狙いは万全に実現されており、繊細でありながら強烈な低音にしびれた。低音に迫力がある、というと野放図に低音が鳴り響く、というイメージがあるが、<Kodo 鼓動>システムは、伸びはあるが鋭いキレ味の「知的な低音」といった風情だったことを報告しておこう。

▼こんなに高品位な映画上映が追加料金なしで楽しめるとは……

 結論。「ミッドランドスクエア シネマ」のスクリーン1<Siko 至高>システムは、やはり音の良さが最も印象的なシアターであった。しかしながら、ただ単に「音の良い」映画館にとどまらない魅力にも溢れていることも強く述べたい。レーザープロジェクターの繊細かつ色鮮やかな映像と、激しくもデリケートな描写が両立した高品位音声が、高次元で両立しているからだ。

 <Siko 至高>システム、あるいは<Kodo 鼓動>システムは、ドルビーやIMAXなどの高音質フォーマットではないため、通常料金以外の追加料金がかからない。映画を見たときの感動に比例して、鑑賞料金が決まるということであれば、100円や200円、いや500円程度は追加料金を支払うべきレベルであるのにも関わらず……。名古屋駅近くという絶好の立地も踏まえると、中部地方の高品位映画鑑賞の聖地として位置づけても良いだろう。

 ミッドランドスクエア シネマは、シアター全体の清潔さ、空間としての居心地の良さがあって、たいへん気持ちが良かったことも添えておこう。勤務されているスタッフの服装や表情、姿勢などから総合的に受け取れる、上質さ。そこに、映画を観る非日常の感覚を観客が損なわないための不断の努力が感じられた。少々漠然とした感覚で説明しづらいのだが、マニュアル厳守で画一的なサービスとは一味違う空気があった。

 今回は、緻密なアクション映画というべき「シビル・ウォー」を鑑賞し、<Siko 至高>システムの底知れぬ能力の一端がしっかり味わえた。この特別な音響設備の潜在能力をフルに堪能するのであれば、やはり効果音が迫力満点のアクション映画やSF超大作が最もフィットすると思う。加えて、音と映像の合せ技で恐怖を演出するサスペンス映画やホラー映画との相性もいいだろう。手練れの音響デザイナーが音で映像世界の拡張を果たすべく精魂込めて作った「TAR ター」「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」のような作品もあうはずだ。<Kodo 鼓動>システムは低音の迫力を堪能するという意味で、バイオピック(音楽伝記映画)の諸作、たとえば「ボヘミアン・ラプソディ」や「ボブ・マーリー ONE LOVE」のような作品がぴったりだと思う。

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