話題の映画「テラフォーマーズ」、篠田麻里子が語るその魅力とは？

「キャラクターはみんな何かしらの罪を犯した身寄りのない人の集まりで、濃ゆい人ばかり（笑）。それだけに、しっかりと役作りしないと消えるなって思いました。空衣は外見は戦えそうなイメージだけど、内面にある弱さみたいなものもある、それを演じられたらいいなって思っていました。役作りと言えるかわからないですけど、今回は売春婦の元締め役でもあったので、コンビニの隅にある社会の闇が描かれたマンガをすごく読みましたね（笑）。本当にあるのかないのかわからないものばかりでしたけど、空衣はそういうところにいたんだろうなって想像しながらひたすら読んでました（笑）」



――最初は文句を言いながらも最後には空衣は立ち上がる。なかにはすごいシーンがありましたね。恐怖に引きつっているのが印象的な。

「実は……あのシーンが撮影初日だったんですよ。最初から変異してワイヤーで吹っ飛ばされるっていう。まず要領がわからないですよね（笑）。それに加えて全部想像ですし。なかなか大変でしたけど、最初に体当たりで演技したことが今考えれば逆に良かったかなとも思います」

――空衣は、クロカタゾウムシに変異する役柄でしたけど、それを聞いたときはどう思いました？

「まず、クロカタゾウムシがわからなくて（笑）。最近までクロカタゾウリムシだと思ってました（笑）。虫に興味もなかったので。でも、変異したらすごくかっこよくなって。今まで変身する作品っていろいろあったと思うんですけど、この変異はすごく面白いですよね。まさかクロカタゾウムシがこんなルックスになるとはって感じです」

――今回はクロカタゾウムシでしたけど、他に変異したかった虫とかあります？

「昔からアリとキリギリスの話が好きで、私が４歳の頃にその話をお母さんがしてくれたらしいんですけど、当時私はキリギリスになりたいって言ってたらしいんです、４歳にして。アリみたいに地道に生きるより、自分の好きなことをして死にたいって（笑）。でも、それは今でもそう思ってて、もちろんアリのように継続は力なりって大事だと思うんですけど、憧れはキリギリスですね。だから、もしなんでもよければって言ったらキリギリス」

――でもキリギリスはちょっと弱そうな気が……個人的にはカマキリが最強だと思ってます。

「最強という意味では私もそう思うんですけど……それは映画で楽しんでほしいですね。今回の作品の中で変異できるとしたら、やっぱり私も小池栄子さん演じたカマキリが良かったですね。空衣はガードすることが多かったんですけど、本当は戦いたかった（笑）。私自身はもっと前線に出たかったんですよ。だから、ちょっと物足りない部分も……（笑）。どうせなら、一発“ガン！”ってやって、“グサッ”とやられたかったです（笑）」