新井浩文「役に引きずられる俳優はプロ失格」と一刀両断! 映画『葛城事件』インタビュー
Entame Plex / 2016年6月21日 19時0分
新井浩文「役に引きずられる俳優はプロ失格」と一刀両断! 映画『葛城事件』インタビュー
リストラ、無差別殺傷、一家崩壊……絵に描いたような日本的家庭がじりじりと崩壊していくさまを丁寧に描写した映画『葛城事件』が、公開中だ。こう聞くと凄惨なストーリーのようだが、そこはかつて映画『その夜の侍』で高い評価を受けた赤堀雅秋氏が監督・脚本を受け持つだけあって、シリアスな中にもコミカルさがあり、主演・三浦友和が演じる父親の滑稽な姿に、観客は苦笑いせずにはいられないだろう。人間の生きざまは、ドラマチックなだけじゃない。壮絶な事件の裏側で垣間見える人間の本質ともいえる無様さや狂気までをあぶり出している。
そんな本作で葛城家の長男役を務める個性派俳優・新井浩文と、無差別殺傷事件を起こす次男役で、新進気鋭の俳優・若葉竜也の2人にインタビューし、この映画の魅力を語ってもらった。しかし取材が進むにつれ、なぜか“赤堀監督イジリ”に発展していき……。
――映画の撮影期間はどれくらいでしたか?
若葉竜也(以下、若葉)「全体が1カ月半ぐらいだと思います。撮影最後の日は、僕と田中麗奈さんのふたりでした」
新井浩文(以下、新井)「うちも撮影期間は同じくらいかな。映画『その夜の侍』のときは赤堀さん泣いていたけど、今回も泣いたかどうか確認できなかったのが残念ですね。絶対、泣いていたと思いますけど(笑)」
――共演者の三浦友和さんや南果歩さんも「精神的にきついものがあった」との感想をもらしています。現場の雰囲気はどのようなものだったのでしょうか?
若葉「僕は毎日緊張していました。だけど、徐々になじんでいく感じで。全体的に殺伐とした空気ではなかったですね」
新井「精神的なきつさはまったくなかったですね、しんどいとも思わなかったですし。むしろ、うちから見ればコメディの印象が強いんですよ」
――無差別殺傷事件や家族崩壊など、凄惨なテーマが満載ですが……。
新井「かつてうちはこの映画の舞台版にも出演していますが、赤堀さんの(脚)本はどうしても笑いのツボに入っちゃうんですよね。三浦さんが演じるお父さんは、怖いんだけれど情けなくて、だらしないけれど憎めないキャラです。赤堀さんはそういう人物を描くのが抜群にうまいんですよね。現場でも吹き出すのをこらえていましたし、試写では爆笑していました」
――若葉さんはオーデョションからの参加とのことですが。
若葉「もともと赤堀さんの作品はいろいろと見ていて、マネージャーからこの話を聞いたとき、これは絶対取りたい! とすぐに新井くんにも相談したんです。そしたら『あ、誰も決まらなかったらうちやるよ』って平然と言ってきて(笑)。くっそー! 意地でも奪ってやるって感じでしたね」
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