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50代のおひとりさま、平均でどのくらい貯蓄がある?

ファイナンシャルフィールド / 2022年5月6日 10時30分

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生涯独身でいる人の割合が増えているなか、50代のおひとりさまの貯蓄平均はどのくらいなのでしょうか?   50代が世帯主である2人以上の世帯と比較し、どのくらい差があるのかもあわせて解説します。

50代のおひとりさまの貯蓄状況

金融広報中央委員会が発表している「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」(※1)によると、50代の平均貯蓄額は1675万円、中央値は675万円となっています。
 
ただ、割合でみると、100万円未満がもっとも多く(12.1%)、次いで700万~1000万円、3000万円以上がともに11.1%となっています。
 
100万~200万円を占める割合も全体の10.6%となっており、50歳代のおひとりさまの貯蓄額における二極化が広がっている点も見逃せません(※2)。
 

■50代のおひとりさまはどのような資産を保有している?

50代のおひとりさまの種類別資産保有状況(※3)をみてみると、預貯金で保有している割合がもっとも多く、平均貯蓄額1675万円のうち763万円となっています。
 
次いで多いのは投資信託や株式、債券といった運用商品で、株式が261万円、投資信託は266万円、債券は41万円と、保険商品も加えた運用商品全体で568万円となっていることが分かります。
 
そのほかで多いのは、生命保険や個人年金保険といった保険商品での保有です。
 
金融資産の保有目的(※4)をみると、老後資金と答えた割合がもっとも多く、全体の76.3%を占めています。次いで多いのが病気や災害時の備えとなっており、老後への不安や病気、災害など、不測の事態への備えを意識していることがうかがえます。
 

50代2人以上世帯の貯蓄額は?

では、50代の2人以上世帯の貯蓄額はいくらなのでしょうか。
 
上記と同じ金融広報中央委員会の資料によると、50代の人が世帯主である2人以上世帯の貯蓄額の平均は1825万円、中央値は800万円(※2)となっています。
 
割合として一番多いのは3000万円以上で16.8%、次いで100万円未満が11.6%、その次が1000万~1500万円で、全体の10.5%となっています。
 
50代のおひとりさま世帯と異なり、100万円以下の割合が2位となっており、ある程度のまとまった資金があることが分かります。
 

■50代2人以上の世帯の資産保有状況(※3)

また同様に、資産をどの形態で保有しているのかをみてみましょう。
 
50代を世帯主とした2人以上の世帯の資産保有形態として、もっとも多いのはやはり預貯金で759万円となっています。
 
次いで株などの運用商品での保有が多く、株が301万円、投資信託が175万円、債券が59万円の合計535万円です。また、生命保険や個人年金保険などの保有割合も多くなっています。
 
資産を保有する目的(※4)は、おひとりさまと同様に、老後の資金を目的としている割合が70.8%となっているほか、病気や災害への備えとして考えている割合が50.7%を占めています。
 
また、子どもの教育資金を考えている割合も18.8%となっており、家族全体としての備えを考えていることが分かります。
 
ただ、老後資金としての目的としている割合は50代おひとりさまの方が高く、その分、老後に対する不安を抱えている割合が高いといえるでしょう。
 

50代の平均給与はいくら?

国税庁が発表している民間給与実態統計調査結果(令和2年)(※5)によると、50代の平均給与額は516万円です(※6)。
 
男女別でみると男性が662万円、女性が314万円と実に2倍の開きがあることが分かります。
 
50代でも男性と女性の場合では収入に差があることから、貯蓄額の大きな開きにつながっているのかもしれません。
 

金融資産を保有していない世帯もある

前述で紹介した数字は、金融資産を保有している世帯を対象としたものです。金融資産を保有していない世帯も合わせると、50代おひとりさまの平均貯蓄額は1067万円、中央値は130万円まで下がります(※7)。
 
また、50代のおひとりさまで、金融資産を保有していない割合が35.7%あるという現実は見逃せません。
 
50代が世帯主の2人以上の世帯でも同様に、金融資産を保有していない割合は23.2%となっています。
 

まとめ

50代はまだまだ現役世代であり、今後も高齢者の雇用機会が与えられることから
長く働くことが可能となっています。
 
とはいえ、50代の年収に男女差がかなりあることや、老後に対する不安を多く抱えている実情もみて取れます。
 
実際、おひとりさまが考えている老後に必要な生活費は37万円となっており、そのための資金として年金受取開始時に最低でも2053万円以上と回答しています(※8)。
 
金融資産を保有していない世帯も合わせた貯蓄額が、金融資産を保有している世帯のみの半分程度に収まっていることからも、今後は老後資金や病気や災害に備えた十分な資産形成が必要になるといえるでしょう。
 
年金開始時期は最長75歳まで延ばすことはできますが、いつまで働くのか、年金の受け取り開始はいつからにするのかなどを考えながら、確実に老後資金を貯めていく必要があるといえそうです。
 

出典

(※1)金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)より 各種分類別データ(令和3年)
(※2)金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査より各種分類別データ(令和3年)Excelシート3
(※3)金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査より各種分類別データ(令和3年) Excelシート5
(※4)金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査より各種分類別データ(令和3年) Excelシート18
(※5)国税庁 標本調査結果より民間給与実態統計調査結果
(※6)国税庁 標本調査結果より民間給与実態統計調査結果 第10表Excelシートその3
(※7)金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査より各種分類別データ(令和3年) Excelシート4
(※8)金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和3年調査結果より調査結果(単純集計データ) 問25
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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