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「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!

ファイナンシャルフィールド / 2024年2月29日 8時50分

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一般的に「公務員は安定した職業」といわれています。一方で「公務員が安定していたのは昔の話」という考えも出ています。一体、本当のところはどちらなのでしょうか。安定しているかどうかの基準はいくつかあげられます。本記事では、定年退職率や退職金の平均支給額などに絞り、公務員が安定した職業なのかどうかを解説します。

地方公務員の離職理由は半数以上が「定年退職」

総務省がまとめた「令和2年度地方公務員の退職状況等調査」から、地方公務員の離職状況と再就職状況を見ていきましょう。この調査によると、もっとも多い離職理由は「定年退職」の55.2%です。
 
このことから、半数以上の人が定年まで働き続けていることがわかります。次に多いのは「普通退職(自己退職」の35.1%です。「早期退職募集制度」や「勧奨退職」も見られますが、数%にすぎません。
 
再就職状況は、52.3%の人が「再任用」されており、他に「臨時・非常勤等」が6.3%います。当該団体以外に再就職した人は13.1%です。「再就職しない者または不明者」は28.3%いますが、定年退職の場合は離職後は働かない選択をしている可能性もあります。いずれにしても、生涯働けるかどうか、離職後も職を得やすいかどうかで見れば安定していると考えてよいでしょう。
 
次に、民間の離職理由を厚生労働省がまとめた「令和3年雇用動向調査結果の概況」で見ます。この調査の「性・就業形態・雇用形態別にみた離職理由別離職者の割合」では男女合わせた全体の場合で「定年退職者」は4.6%しかいません。もっとも多いのは「個人的理由」で72.1%です。次に多いのは「契約期間の満了」で、14.2%となっています。
 

退職金は地方公務員でも悪くはない?

定年退職後の生活を左右する要素の一つが退職金です。地方公務員の退職手当は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第204条第2項および第3項の規定によって各地方公共団体の条例で定められています。
 
総務省がまとめている「地方公務員の退職手当制度について」によると、地方公務員の退職金は「基本額+調整額」で算出されるのが基本的な構造です。基本額は「退職日給料月額×退職理由別・勤続年数別支給率」で算出され、調整額は「調整月額のうちその額が多いものから60月分の額を合計した額」とされています。
 
参考として、神奈川県が公開している平成30年4月1日以降の定年退職者・勧奨退職者の計算式を見ていきましょう。勤続38年、退職時の給料月額が40万円の場合「退職時の給料月額40万円×退職理由別・勤続年数別支給率47.709月」で、基本額は1908万3600円です。
 
調整額は、職員の区分に応じた調整月額と在級日数で計算されます。「第4号4万3350円×24ヶ月」の104万400円、「第5号3万2500円×36ヶ月」の117万円で、調整額の合計は221万400円です。この場合は「基本額1908万3600円+調整額221万400円」になるため、退職金支給額は 2129万4000 円になります。
 
では、民間の場合はどうでしょうか。厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」から「退職給付(一時金・年金)の支給実態」を見ると、定年退職をした場合の退職金の平均額は大学卒の場合で1896万円です。同じ定年退職として見ると、公務員のほうが退職金はやや上回っています。
 

公務員は安定した職業といえる

地方公務員の離職率の低さや定年時の退職金の額から見れば、公務員は安定した職業といっていいでしょう。実際には自治体によって給与や退職金の差は出ますが、それは民間企業も同じです。
 
民間の場合、企業によっては退職金が出なかったり低めに設定されたりしているケースも見られます。自己理由以外で定年前に辞めるケースが少ない点からも、公務員が安定していることがうかがえます。
 

出典

総務省 令和2年度地方公務員の退職状況等調査
総務省 地方公務員の退職手当制度について
神奈川県 退職手当支給額の算出例
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 4退職給付(一時金・年金)の支給実態
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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