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定年後に嘱託職員として働き、月収「48万円以上」あると特別支給の「老齢厚生年金」はもらえないって本当?

ファイナンシャルフィールド / 2024年4月4日 22時30分

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定年後も嘱託社員などで働きつつ「在職老齢年金」という制度を利用して年金を受け取る人が増えています。しかし、給与と年金を合わせた額が48万円を超えると、年金の受給額が減額されてしまうため注意が必要です。   そこで今回は、在職老齢年金の制度および特別支給の老齢厚生年金についての概要と、減額されるのはどのような場合かについてご紹介します。

在職老齢年金とは

在職老齢年金は、60歳以降に厚生年金に加入して働きながら受け取れる老齢厚生年金です。今回のケースのように定年後嘱託社員として働く場合も、週の労働時間などの条件を満たしていれば厚生年金へ加入できます。
 

特別支給の老齢厚生年金とは

1985年(昭和60年)に法改正が行われ、厚生年金保険の支給開始年齢が60歳から65歳に変更されました。
 
その際、開始年齢の引き上げをスムーズに行うために、生年月日が1961年(昭和36年)4月1日以前の男性と、1966年(昭和41年)4月1日以前の女性が60~64歳から年金を受け取れるようにした制度が「特別支給の老齢厚生年金」です。
 
日本年金機構によると、特別支給の老齢厚生年金を受け取る条件は「受給資格期間が10年以上ある」「厚生年金保険などの被保険者期間が1年以上ある」などとされています。
 
特別支給の老齢厚生年金は過去の報酬金額などによって決まる「報酬比例部分」と、加入期間によって決まっている「定額部分」から構成されます。受給開始年齢に達すると、権利がある人には請求手続きの案内が来ることになっています。
 

年金の減額はどのように決まる?

厚生労働省によると、在職老齢年金の制度では、ひと月あたりの老齢厚生年金と、賞与込みの給与額の合計が「48万円」(※令和5年度の額。令和6年度は50万円)を超える場合は、特別支給の老齢厚生年金、および老齢厚生年金の一部あるいは全部が支給停止になるようです。
 
基準となるひと月あたりの金額は「年金の基本月額」と「総報酬月額相当額」から計算します。


・基本月額=老齢厚生年金(加給年金額を除く)の月額
・総報酬月額相当額=その月の標準報酬月額+その月以前1年間の標準賞与額の合計÷12

賞与などを除いた基本給に各手当を加えた報酬の金額を等級で分け、その報酬が該当する等級の金額が「標準報酬月額」です。おおよその毎月の平均給与額と見ていいでしょう。
 
年金の基本月額と総報酬月額相当額を足した金額が、48万円(令和6年度からは50万円)以下ならば年金は全額支給されます。しかし48万円(50万円)を超える場合は、減額または支給停止となります。
 
調整後の年金支給額を求める計算式を日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」を基にご紹介します。
 
基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-48万円)÷2
 
例えば、特別支給の老齢厚生年金額が年額120万円(基本月額は120÷12=10万円)、総報酬月額相当額が40万円の場合は以下の通りです(今回は令和5年度までの48万円で計算)。
 
調整後の支給額=基本月額10万円-(基本月額10万円+総報酬月額相当額40万円-48万円)÷2 =月額9万円
 
このケースでは1万円が減額となり、ひと月あたりの年金の受取額は9万円となります。
 

月収48万円以上で老齢厚生年金は減額または支給停止

在職老齢年金の制度では、年金と賞与を含めた給与収入の合計が48万円(令和5年度)以上で減額および支給停止となります。一方で、定年後も厚生年金に加入して保険料を払うことによって、70歳以降から受け取れる年金額が増額するメリットがあります。
 
定年後も会社員として働く場合は、減額される金額とメリットを比較して、どうするかよく考えることが必要になるでしょう。
 

出典

厚生労働省 年金局年金課 令和6年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から2.7%の引上げです~(3ページ)
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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