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大人になって知らないと恥ずかしい!時々見かける「公証役場」って何?

ファイナンシャルフィールド / 2019年2月23日 9時0分

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何気なく街の中を歩いていると、ごく普通のビルに「○○公証役場」という看板を見かけたことはありませんか?みなさんの中には「役場(やくば)」という言葉の響きから、市や区役所に関連する組織と勘違いされている方も多いのではないでしょうか?   公証役場とは、実は法務局が管轄する国の機関で、全国に約300カ所、東京都内には45カ所に設置されています。  

公証役場の仕組み

公証役場には、それぞれの規模によっても違いますが、公正証書を作成する「公証人」と呼ばれる人が1名以上配置されています。また、そのほかに、事務を取り扱う「書記」がいます。
 
そして、公正証書の作成などで公証役場を利用すると、目的の額に応じて法令で定められた公証人手数料を支払うこととなります。
 

公証役場はどんなときに利用するのか?

公証役場で公証人が行うことは、主に以下の3つです。
 
(1)公正証書の作成
「公正証書」と聞いて、まず思いつくのは「遺言書」でしょう。遺言書を「公正証書遺言」や「秘密証書遺言」として作成する場合には、公証人に作成してもらうため、原則公証役場に出向くことになります(高齢や病気などの場合に公証人が出張で作成する場合もあります)。
 
公正証書の種類としては遺言のほかにも、「任意後見契約公正証書」「金銭消費貸借公正証書」「土地建物賃貸借契約公正証書」「離婚に関する公正証書」「事実実験公正証書」などがあります。
 
一般の個人が利用する可能性があるケースとしては、遺言のほか、離婚に関する公正証書があげられるでしょう。公証人によって、離婚の合意、親権者の定め、子供の養育費、財産分与、慰謝料、厚生年金の分割などを公正証書として作成します。
 
(2)私文書の認証
私文書の認証とは、作成した文書の署名、署名押印または記名押印について、真正であることを公証人が証明することをいいます。これによって、その文書が作成した人の意思により作成されたことが、推定されることになります。
 
(3)確定日付の付与
確定日付とは、作成した文書に公証人が「日付ある印章」を押した場合の日付のことです。これによって、その文書が日付の日に存在していたことを証明するという意味があります。ただし、文書の適法性や記載内容の真実性を公証人が証明するものではありません。
 
例えば、契約書、通知書など権利義務に関する文書では、その文書の作成日が重要な意義を持つ場合があります。確定日付を付与することにより、文書で行った法律行為の効果を、第三者に主張する場合などに利用されます。 
 

公証人手数料はいくらぐらい?

公正証書作成の手数料は、法令に基づき目的物の価格(時価評価額)によって段階的に定められています。
 
例えば、目的の価額が3000万円超5000万円までの手数料は2万9000円、5000万円超1億円までの手数料は4万3000円です。つまり、離婚の際に養育費のみであれば手数料も少額で済みますが、財産分与や慰謝料などの金額が加わると、その金額に応じて公証人手数料も高くなることになります。
 

まとめ

冒頭に記載の通り、公証役場を市や区役所の関連の組織と勘違いしている方も少なからずいらっしゃるものと思います。
 
実際に、離婚するときに初めて公証役場を利用される方が、夫婦間の争いごとの相談窓口だと勘違いしたまま訪問することも多々あるとのことです。当然ながら、公正証書を作成する公証人は、中立的な立場にある役人ですから、対応できるのは、契約条件を公正証書にする手続きなどの相談に限られます。
 
公証役場では、公正証書の利用の普及などを目的とした相談会などを定期的に開催しているそうです。一般個人の方が公証役場の役割や仕組みについて正しく理解するためには、そのような機会を利用するのも有効ではないでしょうか?
 
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
 
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