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約40%のマンションがペット飼育を禁止している理由

ファイナンシャルフィールド / 2019年7月25日 9時30分

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都市部を中心にマンションが増え、快適な生活環境を維持していくために、共同でマンションを維持管理していかなければならない人が増えています。   ペットの飼育や民泊についてはトラブルになりやすいため、管理組合でルールを作っておくことが重要ですが、専門家ではない人たちが適切にルール作りをしていくことは簡単ではありません。そこで、他のマンションではどのようにしているのか、公的な調査で確認してみました。  

半数のマンションでは種類やサイズを限定してペットの飼育を許可している

国土交通省の平成30年度マンション総合調査では、管理組合や区分所有者に対してマンションに関する様々な調査をしています。その中にはマンションでのペットの飼育について、どのようなルールを設けているのかも調査しており、調査結果をグラフにしてみました。
 
回答の選択肢は「禁止している」「種類・サイズ・共用部分での通行形態等を限定し、認めている」「全面的に認めている」「規則はない」「不明」の5つです。
 

 
最も回答が多かったのは、ペットの飼育を限定して認めているマンションで、全体の49.3%になります。その次がペットの飼育を禁止にしているマンションの40.3%で、全面的に認めているのはかなり少数派となっています。
 
マンションで生活する人が増え、核家族化による世帯人数の減少等の影響から、マンションでペットを飼う世帯が増えてきているようです。
 
以前は犬や猫をマンションで飼っている人は少なく、飼おうとする人もあまりいませんでした。そのことはマンションの完成年次別によるルールの違いでも読み取ることができます。
 
例えば、完成年次が1980年(昭和55年)~1984年(昭和59年)のマンションでは、65.4%のマンションでペットの飼育を禁止しています。
 
その一方で、完成年次が2000年(平成12年)~2004年(平成16年)のマンションでは、禁止が30.6%と半分以下に減り、さらに新しい2010年(平成22年)~2014年(平成26年)のマンションでは、僅か3.3%しかありません。
 
禁止しているマンションの割合が減った分、限定して認めているマンションが増えています。
 
比較的古いマンションでは、新築当時から全面禁止にしていたけれども、飼育を希望する声が上がったりルールを守らずに隠れて飼育したりしている人が増えたことで、ルールを改正して飼育できるようにしているマンションもあります。
 
ただ、マンションにはペットを飼育したい人もいれば飼育したくない人もいます。人によって想定しているペットの種類やサイズの範囲も異なります。
 
ペットの飼育を禁止しているマンションだから住んでいる人も中に入るので、必ずしも途中でペットの飼育が認められるようなルール改正ができるとは限りません。
 

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分譲マンションでの民泊はほぼ不可能

次は民泊についてどのようなルールを設けているのか、同じ調査から結果をグラフにしてみました。回答の選択肢は「民泊を全面禁止とした」「一部の民泊に限り許容することとした」「民泊を許容することとした」「特にルールを決めていない」「不明」の5つです。
 

 
全体の95.2%のマンションで民泊を禁止しています。一部に限り許容しているマンションはなく、民泊ができるのは許容の0.1%とルールを決めていない3.1%のマンションに限られます。つまり、ほとんどの管理組合は民泊を拒否しています。
 
訪日外国人が増えてホテルが不足している地域では、民泊で不足を補うことは良いアイデアであり、資産の有効活用を考えている区分所有者にとっても良いアイデアですが、これほどまでに拒否されているのは、初期段階での好き勝手なやり方に問題が多かったからではないでしょうか。
 
管理規約等に民泊に関するルールがわかりやすく明記される前に、一部の区分所有者が勝手に民泊を始めたマンションでは、他の区分所有者から「知らない人(特に外国人)がマンション内に入ってきて不安」「夜中騒いでうるさい」「ごみの出し方が酷い」等の声が多く上がりました。
 
民泊をしている区分所有者だけメリットがある状況では、他の人から賛同が得られるわけがありません。率先して許容できるルールを提案するならまだしも、「やった者が勝ち」の感覚では当然の結果と言えるでしょう。
 
今は民泊に関する自治体のルールも厳しく、全国的に広がっていくことは難しいのではないでしょうか。ペットの飼育でも民泊でも、共同の住宅であるマンションではみんなの同意や協力が必要です。他の人の立場も考えて、住みやすい環境作りをしていきたいものです。
 
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者
 

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