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新型コロナで休校中の子どものために休業している場合の休業補償ってどうなるの?

ファイナンシャルフィールド / 2020年3月25日 23時0分

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新型コロナウイルスの感染拡大により、これまでにない対応が次々と公開されています。   前回のコラムでも、労働者が発熱した場合の会社の対応などをお話ししましたが、今回は休校中の子どものために休業している保護者の休業補償について、3月10日にさらに追加された情報をあわせてご説明します。  

休業補償は上限8330円?のからくり

当初、会社員は、正規雇用か非正規雇用か関係なく、休校している小学生の子どもを家庭で面倒をみるための休業は、上限8330円の休業補償がされるという情報が出されました。その後、不公平だということで、フリーで働く方に対しても定額4100円が休業補償として補てんされると追加措置が発表されました。
 
このように、8330円、4100円というように具体的な数字が出てくると、どうしても金額そのものがフォーカスされがちですが、忘れてはいけないことがあります。8330円は「上限」、そして4100円は「定額」ということです。
 
つまり、雇用されている方の場合には、雇用調整助成金という、もともとあった助成金の枠を拡大して適用しているということなので、会社としては、この休業補償を社員のために申請するには、社員を休業させるだけではなく、全額有給として通常の給料を支払うということが必要となるのです。
 
会社に支払われる助成内容と受給できる金額については以下です。
 


(北海道については、大企業2/3、中小企業4/5などさらに拡充されている)
 
教育訓練を実施した時の加算額は、1人1日あたり1200円。支給限度日数は1年間で100日です。つまり、だれでも1日に8330円が受け取れるわけではありません。労働基準法第26条には休業手当の定めがあります。
 
「会社側の都合により労働者を休業させた場合、休業させた所定労働日について、平均賃金の6割以上の手当(休業手当)を支払わなければなりません」
 
上記から、実際自分が受け取れる金額を考えると、会社から給料の1日分の全額ではなく、6割の休業手当を受け取っても、上限8330円に達する方はあまりいらっしゃらないことが予想されるでしょう。

今回適用される雇用調整助成金で注意すべきこととは?

前段で、勤務している方の休業補償は、従来の雇用調整助成金の枠を拡張して行われるということをお話ししました。雇用調整助成金は、雇用保険の被保険者が休業する場合が対象です。ただ今回、新たに3月10日に発表された拡大措置は以下のようになります。
 
<追加の特例措置の内容>
休業等の初日が令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合に適用
 
(1)雇用保険被保険者として継続して雇用された期間が6ヶ月未満の労働者についても助成対象
(2)過去に雇用調整助成金を受給したことがある事業主について
ア 前回の支給対象期間の満了日から1年を経過していなくても助成対象
イ 過去の受給日数にかかわらず、今回の特例の対象となった休業等の支給限度日数までの受給が可能
 
<すでに講じている特例措置>
(3)令和2年1月24日以降の休業等計画届の事後提出は令和2年5月31日まで可能
(4)生産指標の確認期間は1ヶ月に短縮(従来は3ヶ月)
(5)事業設置後1年未満の事業主についても助成対象
(6)最近3ヶ月の雇用量が対前年比で増加していても助成対象
(以上、厚生労働省のホームページより抜粋)
 
これまで自然災害の時によく利用されていた雇用調整助成金の条件が、かなり拡充されているのがわかります。
 
従来であれば、生産量や雇用量などの条件により、対象とならない場合がありました。ところが、インバウンド需要や東京オリンピックを前に、社員の採用を増員した会社など、これまで助成金の条件では対象とならなかったところでも、今回拡充された条件であれば、対象となる可能性が出てきています。
 
また、採用後6ヶ月経過後でなければ、休業する労働者の中に含めて助成金の対象とならなかったところ、休業する労働者として休業補償を請求することができるという点は大きなポイントでしょう。ただ、正規・非正規労働者いずれも対象となるのは、北海道のみの特例です(3月10日時点)。
 
今回の新型コロナウイルス感染者騒動で、東京オリンピックの中止や延期なども話題に挙がっています。毎日続々と増え続ける感染者数がニュースで流れ、マスクの品薄もあり、思いもかけないものが売れたり、何をすれば良いのかわからなかったりと、混迷の日々が続いています。
 
ただ、今回の騒動は感染者数だけではなく、今後の経済の悪化から目を離すわけにはいきません。その対策のために、当分は、今回のように特例がさらに追加されたり、対象範囲が増えたりということが続くでしょう。
 
情報の正しさを確認することが困難な場合もあるでしょう。大事なことは、必ず「公的な窓口」に確認し、落ち着いて行動しましょう。利用できる制度は必ずあります。
 
執筆者:當舎緑
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

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