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36歳シングルマザー「自分にもしものことがあったら不安です。娘にお金を遺せる保険はありますか?」

ファイナンシャルフィールド / 2020年4月1日 10時0分

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【ご相談内容】 沢田綾乃(仮名)、36歳です。4歳の娘・両親とともに暮らすシングルマザーです。2年前に離婚しました。元夫は結婚後も働かず、DVもあり、離婚の際には逃げるように実家に帰ってきたので養育費もありません。両親は、70歳の父と68歳の母です。   先日、職場の同僚が33歳の若さで乳がんにより亡くなりました。うちの子と同じ年の子がいて仲も良かったため、とてもショックを受けています。彼女にはご主人がいるので主に金銭的な面において不安は少ないかもしれませんが、もし私に何かがあった場合どうしたら良いでしょうか。   実家の両親は年金暮らしで、決して裕福とはいえません。すごく不安になってしまいました。わずかでも娘に遺してあげたいので、私に合う保険を教えてください。  

遺産は作るもの

FP(ファイナンシャルプランナー)の中には、極端に保険を嫌う人がいます。確かに、保険営業の方の中には、お客さま本位ではない保険を販売し、怒りを覚えることもあります。
 
しかし、だからといって保険加入を検討する相談者さまに対し、保険よりも「長期分散投資」をお勧めすれば良いかというと、それでは済まされないケースもあると思うのです。
 
筆者の知る、ある会社の保険営業の方が「遺産は作るもの」という言葉を発しました。最初はかなり違和感がありましたが、シングルマザーにスポットを当てた場合、その言葉は生きてくるのではと筆者は考えています。
 
その方の言う「遺産を作る」とは、生命保険に月々加入をすることにより、遺産を作っていくのはどうかという提案でした。
 


 
現在は、さまざまな保険のタイプがありますが、わかりやすくすると、娘さんが22歳の大学卒業時までに、その後の暮らしに必要なお金として2000万円準備してあげたいとしましょう。
 
綾乃さんのように、万が一を想定して2000万円の遺産を遺したいと考えた場合は、死亡保障が2000万円の保険に加入します。万が一、綾乃さんが37歳でなくなっても、40歳で亡くなっても、保障金額2000万円が支払われます。つまり、毎月数千円の掛け金を支払って「2000万の遺産」を作ってあげることができるのです。
 
※加入期間がたつにつれて「必要額」が減りますので、保障額は年々低くなることがあります。そのよう場合を想定して「逓減型(ていげんがた)」という契約もありますが、今回は割愛します。

子どもに遺した遺産は

もし今、綾乃さんに万が一のことがあった場合、精神的に、経済的に、娘さんを支えていくにはどうしたら良いのでしょうか。
 
現在の娘さんの夢は「アイドルになること」。綾乃さんは「この子はお金がかかりそう」と言います。「度胸もあるし、私がいなくても乗り越えられそうですが、両親に金銭的な迷惑はかけたくないので」ということでした。
 
高齢のご両親にこれから降り注ぐ問題は、寿命よりも認知症等の病気かもしれません。金融庁の「老後2000万円問題」で話題となった報告書の中には、認知症にまつわる報告もありました。その報告によると、認知症の有病率は下記のような結果でした。
 
■75歳~79歳/男性:11.7% 女性14.4%
■80歳~84歳/男性:16.8% 女性:24.2%
■85歳~89歳/男性:35.0% 女性:43.9%
■90歳~94歳/男性:49.0% 女性:65.1%
■95歳~   /男性:50.6% 女性:83.7%
 
認知症になると、金銭管理ができなくなります。そこが大きな問題です。
 
もし、綾乃さんに万が一のことがあった際に、娘さんに保険金の受給権があるとしましょう。未成年のうちは未成年後見として、娘さんの代わりに親権者が受け取ることになります。現状では元夫を親権者にすることは考えにくく、親権者がご両親になった場合、認知症等の病気も心配です。
 
娘さんが17歳の時点で祖父は83歳、祖母は81歳になっており、現在とは体の状況は変わってくるでしょう。もしその時、認知症を発症していたら、手続きが困難になるかもしれません。このような場合は、どうしたら良いのでしょうか。

生命保険信託の活用をする

前述のようなケースに、とても良い保険の仕組みがあります。「生命保険+信託」の生命保険信託です。生命保険信託とは、受け取る保険金額を丁寧に、「想いのある人へ届ける」仕組みとなっています。信託では下記の仕組みを作ります。
 
■委託者(財産の持ち主)  = 綾乃さん
■受託者(財産を預かる人) = 信託会社
■受益者(財産を受け取る人)= 娘さん
 
まず、綾乃さんは保険会社と保険契約を交わします。その死亡保険金について、金融機関(信託銀行など)と信託契約を結びます。万が一綾乃さんが死亡した際に、契約した金融機関(信託会社など)が生命保険会社に死亡保障金を請求します。つまり、ご両親(祖父母)に代わって保険金を受け取ってくれるのです。
 
さらにここからが要です。娘さんに保険金を渡す際に、綾乃さんが生前にスキームを組み、一度に受け取るのではなく、時期・用途・金額を細かく指示しておくことができるのです。一度にお金を渡してしまい、無駄遣いすることを防いでくれます。
 
この「生命保険信託」のサービスを提供している会社は4社のみ(2020年2月現在)。契約内容は各社で異なります。

綾乃さんのゴール

以下、綾乃さんのコメントです。
 
私が話を聞きにいった保険代理店では、「生命保険信託」を取り扱っていませんでした。今回の相談でこういった仕組みを知り、これがまさに私が望んでいるものだと思いました。両親の老後も心配です。
 
認知症等の対策もしなくてはいけませんね。実家に大きな財産はありませんが、持ち家がありますので、今後については引き続きFP等に相談をしていこうと思います。
 
今回の相談をきっかけに、綾乃さんには新たな課題ができました。ご両親の認知症等の対策です。今、多くの方が直面している問題ですが、実際のところ対策が追い付いていない方もいらっしゃるでしょう。
 
ご両親が元気なうちに、さまざまな対策をしておけば安心できるかもしれませんね。人生100年時代は、さまざまな課題があるようです。
 
執筆者:寺門美和子
ファイナンシャルプランナー、相続診断士

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